新・内海新聞105号

【新ペット産業】

最近、ペットフード業界に転職した友人と話す機会を得た。ペット産業の伸びしろの広さに驚いた。
犬は、08年1090万匹、14年1035万匹と▲15%
ペットフードは、08年705200t、14年596870t▲15%
と、共に減少気味。
しかし、その市場規模は拡大を続けている。全てがプレミアム化していると言えます。
我が家でも私がユニクロのバーゲンの900円のTシャツを着ているというのに、目の前のトイプードルは6000円の犬用のTシャツを着て、お腹を出して爆睡している。
ペット市場は、日本人の少子高齢化に影響しているというのが私の持論。


神奈川県の秦野というところの山の上にK植物園がある。その中に、コンテナを利用したカフェがある。どこにでもあるカフェなのですが、ペット同伴OKというお店です。
お店のメニューも左ページが人用、右ページが犬用となっていて、どちらも区別がつかないほど、美味しそうである。店の床にはペットの綱を留めるフックがあり、何匹もの犬たちが楽しんでいる。庭には大きな敷地を囲ったドッグランがある。飼い主たちは、そのドッグランで愛犬を遊ばし、それを優しく見守っている。
やがて、飼い主同士は仲良くなり、家族ぐるみの付き合いが始まる。
このカフェには一つのアイデアがある。
毎週末に開催される犬種ミーティングです。
犬種ミーティングとは、毎週末決まった犬種だけが集まるイベントです。
今日はコーギーちゃん集まれ!の日、来週はチワワちゃん集まれ!の日、また、その翌週は、ゴールデンリトリバーちゃん集まれ!…という具合に同じ犬種たちが集まる日を決めている。
お店の中も、ドッグランも同じ犬種でいっぱい。
お客たちは、この犬種ミーティングを楽しみにしている。
私の父は開業獣医師であった関係から、動物たちに囲まれて育ちました。飼い主の心理もなんとなく分かります。
お年頃の犬の飼い主の大きな関心は、お嫁さん旦那さん探しです。
どうせ結婚させるなら身元の知れた、しっかりしたお家のワンちゃんと!というのが本音。
この、犬種ミーティングは、そのための飼い主の観察のために開催されている。
犬といえども親戚になるようなものなので、しっかりとした家柄のワンちゃんと、というのが本音となる。
このカフェから、浜の方に降りてくると、ご主人が経営するとフレンチのお店がある。ここもペット同伴OK。カフェで仲良くなった家族たちが、ここに流れてくるのです。
そして、一つ気づくことがあります。その飼い主の年齢です。もうリタイアしたような年齢の夫婦連れが多いのです。
子供も独立し、ぽっかり穴の開いたような寂しさを埋めるために、ペットを飼い始める。犬の寿命は20年もない。自分たちの年齢と比べても丁度良いのです。我が家でも犬がいることで救われた事が多いです。その癒し効果は抜群と言えます。反面、犬がいることで家を空けられない。散歩、食事など世話がかかる。旅行などとんでもないです。ペットホテルもありますがなんとなく可哀想で預けられない。
そういうニーズを反映してか、ペット同伴OKという旅館が増えています。ペット同伴OKのお部屋がないと集客できないとまで言われています。
我が家でも、伊豆下田のペット同伴OKのお部屋を予約して旅行したことがあります。
旅館も特別の対応を考えています。中には犬が嫌いな泊まり客もいる可能性があるので、入り口は別。そして、部屋も離れになっていて、鳴き声も母屋に届きにくい。綱を留めるフックもある。犬の食事用のボールやマット、ゲージも頼めば貸してくれるし、おしっこシートも用意してくれる。もう至れり尽くせりです。
そうなると、伊豆に行けば、必ずこの旅館に!ということになります。
旅行だけではありません。衣料、ペットフード、住宅、健康管理などなど、どんどんその市場は広がっています。
ここに面白いビジネスがあります。カレンダー業界です。ペットのカレンダーを制作販売している会社があります。そのペットのカレンダーは、「犬の日めくりカレンダー」「猫の日めくりカレンダー」。
毎日違う犬猫の写真が掲載されています。それが365日分の365匹の写真の掲載です。犬の日めくりカレンダーは犬だけ、猫の日めくりカレンダーは猫だけのカレンダーです。世の中には犬派と猫派がいるためです。
しかもこれらの写真は、ペットオーナーからの応募によるものです。毎年募集されるのですが、その応募数は数万件以上です。
カレンダーの最後には、カレンダーに掲載されたペットの掲載日と名前と居住都道府県が印刷されています。
このカレンダー製作会社には、これらペットオーナーの個人情報が大量に集まることになります。飼い主は自分の愛犬が掲載されているとしると大量に購入し、ご近所や親戚に配ります。このカレンダー会社は、様々なペット業界の企業と契約をしています。ペットフードの試供品などが送られてきます。
ペットフードと言えば面白いお店があります。
東京都港区の外苑前というおしゃれな街のペットフードショップです。
「プサコキッチン」と言います。(東京都渋谷区神宮前3丁目38-17 イケガミ青山ANNEXビル 1F)
ここは普通のペットフードのお店とは違います。いうなればデリカテッセンです。店内にはキッチンがあり、コック服を着たシェフがいろんな美味しそうなペットフードを調理しています。そして出来上がりが店内に並べられ量り売りされます。通りすがりに発見してもおそらくペットフードのお店とは思わないでしょう。
ペットは家族ですのでそのペットたちに投資されるお金はどんどん上昇しています。
この流れは、人間の少子高齢化と同じ流れです。
ペット産業は、いま新しいステージに上がったかも知れません。
よく考えてみると、人に対するマーケティングとほとんど同じということに気づきます。