新・内海新聞 73号

COINSTAR と nanaco

2002年の内海新聞25号に書いた「コインスター」という自動両替機の話です。

アメリカにコインスターという両替機があるそうです。
私はまだ実際には見たことがありません。アメリカに行ったときに現地で聞きました。
スーパーマーケットなどの入り口に置いてある機械です。
私もアメリカにいってよく思うのですが、コインなどの小銭がどんどん溜まってゆきます。
その場で使うのは、せいぜいクォーターのコインくらいまでで、それ以下は財布に残っていきます。
それを大きなビンの中に入れて貯めている家庭が結構多いのに気づきます。

今回のこのコインスターというのはその家庭に溜まっているコインを一枚残らず全部回収しようという機械です。
スーパーなどの入り口に置い
てあるのですが、その機械は銀行にあるATMのような形です。
同じよう
に、小銭の投入口があり、そこにコインをジャラジャラと全部入れます。
ボタンを押すと蓋がしまり、数を数え始めます。
数え終わると、ご利用
明細のようなジャーナルという紙が印刷されて出てきます。
そこには金
種ごとの数と金額、そして合計金額が印刷されていますが、さっき投入されたお金は、もう戻ってきません。
お金が、このご利用明細というジャーナルに両替されたのです。
さて、これで終わってしまえば大損害なのですが、このジャーナルは、ここのスーパーで使える金券になるのです。
しかも、投入金額にいくらかのボーナスポイントがついて、お得な金券、つまり
割引が効くことになります。

この話を聞いて驚きました。
自宅にある使わない小銭を1セントも残さずかき集めるすばらしい仕掛けです。
しかも、何も難しいことがありません。
皆、家にある小銭で一杯の大きなガラス瓶を抱えてくるのだろうと想像すると笑ってしまいました。
このように、あまり難しく考えるのではなく、簡単に誰でもできるようにしてしまうことこそ、本当のシステム化というのかもしれません。
確かにアメリカは多民族国家ですから、言葉も宗教も人種も違うわけで、それらの人々が何も考えずに使えるようにしてあげることは大切ですし、このような背景でアメリカ文化が発展してきたと思えば納得できます。
聞くところによると、コンピューターのキーボードもそのような背景から生まれてきたと聞きました。
この話を書いてから、既に10年以上経っていますが、いまだに日本にコインスターはありません。
小銭を持ち歩かず、釣銭計算も得意な日本人にとって不要なのかもしれません。

しかし、待てよ!本当にそうなのでしょうか?ここで一件提案があります。
たとえばセブンイレブン。
セブンイレブンには独自のプリペイドカードがあります。
「nanaco」です。セブンイレブンの店舗に行くとnanacoを作れと勧誘してきます。
しかし、いちいちチャージして、またそのレジで使うなんて非効率で面倒です。
しかも1000円単位でのチャージしかできません。
そこで提案なのですが、このnanacoのチャージを1円単位でできるようにしてほしいのです。
セブンイレブンのレジにいって、財布の小銭を全部じゃらじゃらと預けると1円単位でチャージができて、且ついくらかのポインが付く。
財布の中身もすっきりするし、チャージしようというメリットも出てきます。
おそらく使わない1円玉5円玉、10円玉、50円玉が100円や200円分ならいつも入っていると思います。
それを全部チャージしてもらえるようにするだけで、nanacoには1億購買の機会も増えるはずです。

そういえばポイントで思い出したことがあります。
10年ほど前に新ポイントシステムを考案したことがあります。
それはこんな仕掛けです。
スーパーなどに行くとクーポン券がもらえます。
50円とか安くなるもので、小さな紙に印刷されています。
これは販促の意味もあるのですが、多くはメーカーの流通量を測定するために使われます。
メーカーとしては工場から出荷されても本当に売れているのかどうかが判りません。
倉庫に置いてあるだけかもしれません。
実際、消費者にどれくらいわたっているのかを測定するためにクーポンを配り、それを回収して分布を調べています。
主婦の方々は新聞の折り込みなどに入っていたクーポン券を持って買い物に行きますが、その金額は数十円がほとんどで、凄いお得感というほどでもありません。
確かにチリも積もればなのですが、それほどやる気が出てくるというものでも有りません。

そこで、このクーポンを携帯電話を利用したものに変えてみました。
商品にラベルシールをはりつけます。
そのシールをめくるとユニーク番号が印刷されています。
この番号を携帯電話を使って入力するのです。
このサービスは会員制であらかじめ会員登録しておく必要があります。
商品を購入し、貼ってあるシールをめくり、その番号を携帯電話を使って送信します。
毎回この都度のクーポン金額が蓄積されていきます。
このクーポン金額は、次回の買い物の時に使えるわけではありません。
毎月精算され、蓄積金額が当月の携帯電話料金から割り引かれます。
昔、テレカ全盛のとき、長距離電話をかけた際、公衆電話で500円のテレカがものすごい勢いで減っていくのを体験されたと思います。
でも500円のテレカをもらってもそんなにうれしいとは思いません。
これは同じ500円でも電話代で考えた時、とても価値があると感じるのだと思います。
今回も金額的にはそれほど高額にはなりませんが、携帯電話代として割り引かれると値打ち感が出てきます。
この企画をKDDIに提案して、検討されたのですが、電話代の割引という請求処理がシステム上できないということなのか、うまくいかなかったのです。
マイナス請求すればよいとは思うのですが、当時はそれができませんでした。
今ではなんでも携帯電話決裁になりつつあります。
先日映画を観ようとしてTOHOシネマのVitというネット予約をしたときのことです。
いつもならクレジットカード決済なのですが、最近は携帯電話決裁ができるようになっていました。
携帯電話番号を入力し、パスワードを入力すると、翌月の携帯電話料金と一緒に引き落としてくれるサービスです。
これなら、クレジットカード番号を入力するのが嫌な方には嬉しいサービスです。
またわざわざ財布からクレジットカードを取り出して、16ケタの番号を入力するのも面倒なので、とても便利です。
ますます携帯と財布が近づいています。
もう小銭も持ち歩く必要も財布を持ち歩くこともなくなってきました。