新・内海新聞 22号

△さんかく(ラーメン専門店)というお店があります。友人が経営しています。実際には彼のお兄さんと親友でしたが、その縁で交友が始まりました。10人位しか入れない小さなお店ですが、隠れた名店として有名です。場所はJR目白駅。改札口を出て左に歩くと、すぐに左に下りてゆく小さな階段があります。そこをまっすぐ行くと右にam/pmがあり三叉路に出ます。その真ん中の坂道を上ってゆくと右にお稲荷さんがあって、その先右側の民家です。薄ぼんやりと外灯があり、うっかりすると通り過ぎてしまいます。

自宅兼店舗です。ここのワンタン麺が大好きです。ギョーザでビールを戴きながら、少し小腹に入れたところでゆっくりラーメンを戴きます。近くに川村学園があるので女子学生のお客様も多いです。お近くの方は是非!

逆転の発想 その一

これぞ、逆転の発想!と膝をたたいた話があります。それは、こんな事件でした。昔、ある出版社が新規事業で百科事典を発行することになりました。1967年の話です。一気に販売を加速しようと全国の書店に販売を委託しました。

全国の書店は競い合い販売はどんどん伸びてゆきました。全7巻で1万円という手ごろな価格も良かったのだと思います。この全7巻の国民百科事典をさらに買いやすくするために、日本で初めて月賦販売を取り入れたのです。書籍の月賦販売は今までありませんでした。それまでは、医者や代議士、弁護士などの所得のある方々がお客様でしたが、月賦にすることにより、さらに一般の家庭にまで普及し始めました。

しかし、ここに困った問題が起こったのです。代金の回収です。今のような銀行引き落としというのが無く、利用者は自分で銀行窓口から振り込まなければなりません。その結果、どうしても入金遅れが発生します。それに対して、すぐに督促状を送付しなければなりません。その督促状を送るのが大変です。その作業は以下の通りです。新規契約があると、顧客リストに入力されます。そして顧客カードが作成されます。毎月、銀行から入金があるごとにその入金者の名前をお知らせする電話連絡が入ります。その入金者情報を毎回、キーパンチャーが入力します。

締め日がくると、契約者データからその月の入金者データを引き算して「未入金者」を見つけ、すぐに督促状を印刷し発送する・・・というのが一連の作業です。毎月毎月、新規契約者は増える一方です。それに合わせて毎月の入力件数も増えてゆきます。契約者が増えていけば、その毎月の入力も増えてゆく。未入金者は全体の2%位なのに、その2%を探し出すために毎月100%のデータを入力していることになるからです。

遂に、電算室から設備増強と入力人員の追加の要請が上ってきました。このままだと、人員も設備も二倍に増やさないと間に合いません。早速、コンピュータの仕入先であるI社に相談しました。その時の答えは、もっと容量が大きく、スピードの速い高級機に買い換えるのが良い・・・と勧められたそうです。しかし、そんなことをしたら、会社はその経費で大赤字になってしまいます。督促状を出すべき未入金者は毎月2%足らずです。だったら、この2%だけを入力するようにすれば、大きなシステムも人員も要らないはず・・・と出版社の担当者は考えました。

その時、I社は
「その未入金者が解らないから、全体から入金者データを引き算しているんですよ。その2%が最初から判るんだったらこんな楽なことはありませんよ。」といって笑っていました。しかし、担当者は納得がいきません。絶対にその答えはあるはず!・・・と毎日毎日考え続けました。数週間して、彼はある盲点に気付きました。それは、意外と簡単なことでした。伝票をすべて本社に集めて集中的に処理するから、こういうことになるんだ!

一旦、顧客を担当する各支店に返そう。そして、各支店で入金チェックをしてもらうことにしました。その次に、2個の箱を用意しました。左の箱には顧客カードが「あいうえお順」に付箋を付けて並べて入っています。左の箱は空っぽです。毎日、銀行から入金者の情報の電話が入ります。その電話を受けた人は、左の箱の中からその本人のカードを探し出し、右の空の箱に移動させるだけです。

月末の締切日に左の箱に残ってるカードが、未入金者ということになります。入金者はすべて右の箱に移動されているからです。左の箱には、毎月数枚程度しかありません。それだけを入力して督促状を出せば完了ということになりました。その後、この箱はなくなり、3枚綴りの複写伝票になり、一枚は顧客台帳に、残りは入金確認用として利用し、入金があれば一枚は破ります。残った伝票が未入金者の伝票ということになります。現在の伝票会計の基礎となりました。結局、誰でもできるシステムを考え付いたことで、新たな投資もせず、今までのキーパンチャーも不要になり、大きな利益をもたらすことになりました。

これには、おまけが付いていました。入力ミスが殆どなくなったのです。結局、入力数が減ったことでその効率も上がり、さらにミスも減り大きな効果をもたらしたそうです。

住所もまたビジネス

今日はランチに市ヶ谷の方まで歩いて行きました。懐かしい風景。昭和63年に会社創業のために初めて東京に事務所を作ったのもこの市ヶ谷です。 日テレ通りです。久しぶりに歩いたので、風景がだいぶ変わっていました。

「あれ?! ここにあった、老夫婦がやっていた魚屋さんがなくなってる・・・ ハンバーガー屋さんになってる。」昔、こんなところで八百屋なんてやっていけるのかなぁ・・・そう不安に思っていました。殆ど住宅もないし、あっても大邸宅ばかり。わざわざ、ここに魚を買いに来る人なんていないだろう 。実際、客が居るのを見たことがありません。 それでも、つぶれずに長年やってこられたのはなぜだろう? だいぶん経ってから、そのからくりを聞きました。

「あそこは、住所貸しで儲けているんだよ。」
「???住所貸し?」
「そうそう、すぐ近くに番町小学校があるでしょ?そこにどうしても入学させたい両親が、 魚屋さんからそこの住所を借りて、番町小学校に通うように入学手続きをするんですよ。 越境入学の代行ビジネスですね。」

だから、魚屋さんは表向きの仕事で、裏稼業が代行ビジネス・・・ いや逆かな? とにかくいろいろな商売があるものです・・・・そういえば、私の友人のKさんは、住所を商品にして販売していました。彼の事務所は東京駅のまん前の丸の内。ここに一番小さな事務所を借りました。そして、この「中央区丸の内」という住所の使用権を月数万円で売り始めました。丸の内といえば、三菱の本拠地。三菱を定年退職しても丸の内への愛着は強いらしく、退職後に個人事務所を開く場合でも、できれば丸の内に!と考えるかたが多いようです。しかし、丸の内の家賃は高額です。そこで、Kさんは自分の事務所の住所を貸し出すことで、丸の内にオフィスがあるように見せかける商売を始めたのです。

郵便はこの住所に届けてもらい、自動的に自宅に転送します。電話も、この事務所にある電話番号を使いますが、自動転送。来客の場合は、お向かいのパレスホテルのロビーで打ち合わせる・・・というようなルールにしました。メールアドレスも丸の内のドメイン名を取得してしまいました。。名刺は、間違いなく丸の内の一等地の住所になっています。Kさんのビルには秘書サービスがオプションで付いていて、15分単位でバイリンガルの長身の美人秘書をお願いできます。お客様には、「社内には機密書類が多いので、お向かいのパレスホテルでお会いしましょう。」と伝えておき、美人秘書2名に鞄を持たせて、向かいのパレスホテルに向かいます。

お客様の前で「もう、今日はここで結構。」と秘書を帰らせてしまうのです。これで15分のチャージだけで済みます。お客様は驚いて、すばらしい先生かもしれない・・・と勝手に錯覚をしてしまうのですよ。・・・とはKさんの弁。しかし、この住所貸しは大人気で、すっかり商売になっていたらしいです。

理解の三原則 簡単・明瞭・繰り返し

昔、私が師匠と慕っている方から教わった、理解する時の考え方です。話を理解するため、あるいは相手に正確に伝えるための方法といえます。

最初の「簡単」は、「一言で言う」ということです。いろいろ説明をしなければならないのは、的確に相手には伝わりません。難しいですが、5秒以内で、内容を言い切ることが大切。そして、端的に言い切るには、「名前」を付けるのが良いようです。話の内容に名前を付け、一言で言えるようにすることです。***物語とか***の法則とか、***のルールのように名前を付けることで、記憶の中で整理しやすくなります。

次の「明瞭」は、誰でも簡単に解る様にすることです。この方法は、絵や図に表わして書くことです。話の流れや展開、あるいは、その利用シーンなどを一枚の絵に簡単に描くことが必要です。人の話を聞いていても、凄く理解できる話と、なかなか難解で、部分的にしか理解できないことがあります。おそらく、よく理解できた時は、自分の中に、聞いている話のシーンが映画のように見えている時だと思います。このイメージが頭の中に出来上がったら、決してもう忘れることはありません。

これは、俳句を例にとって説明すると良く解ります。俳句は最も表現したいところだけを残して、後は切り捨てる文化です。そして、十七文字から、頭の中でそのシーンをイメージさせます。たった十七文字なのに、その俳句からイメージしたシーンには、音や香りや温度まで感じることができる力を持ちます。イメージというのは、臨場感をもって理解することができる重要なツールです。

そして、最後の「繰り返し」です。これは、名前を付け、イメージ化できたものを、全く別の場面で同じように適用してみて、矛盾が無いかを検証することです。この検証で同じような結果が導くことができれば、自分でも理解でき、相手にも正確に伝えることができるというになったということになります。

別の表現を使うと
・ 難しいことは、よりやさしく
・ やさしいことは、より面白く
・ 面白いことは、より深くという表現もできます。

この三原則を適用すると、記憶の戸棚の中にしまい込んだとしても、いつでも必要な時に取り出すことができ、また何度でも繰り返し正確に思い出すことができるようになります。