新・内海新聞 9号

「細部に神宿る」Detail pays dividends, 私の大切にしている言葉です。

本当に些細なところにこそ真実が隠されている。うっかりすると見逃してしまいそうなことこそ、注意を払い、そこに潜む真実をみつけなければならない。今は、大きなうねりばかりに目が奪われてしまいがち。でも日常の些細なことに次の予兆が隠されている。一度、立ち止まり、ゆっくり深呼吸して回りをゆっくり見渡してみる。そして、小さなものに心を留めてみることも大切なことなのかも知れません。

ねぎ屋のおばあちゃん

私が20代の頃は、がむしゃらに働いた時期でした。毎日の睡眠時間は約3時間。20時間は立ちっぱなしの毎日でした。大学を中退し、中華料理店のコックをしていた時期です。外科医を夢見ていた私は、コックの仕事が嫌で嫌で仕方ありませんでした。しかし、私が働かなければ家族が生活できない・・・そんな葛藤の中の毎日だったような気がします。

前回書きました、ファミリーレストランをきっかけとしたお詫び券事件で客商売に少し興味を持ち始めていました。毎日一生懸命働いてもなかなか利益が上がりません。そこで、仕入を安くするために卸売り市場で買い物をすることにしました。仕入を下げれば必ず利益が出る、そう信じていました。朝、眠いのを我慢して早朝4時に起きてスーパーカブに乗って西宮地方卸売市場まで買い物に行きました。早朝から市場は大混雑。八百屋や魚屋の親父さんたちが買い物にやってきては、値切り合戦をしています。私はどうしていいのやら判らず、適当にお店を見つけてキャベツを探しました。1箱12個入りのダンボール箱がありました。
「オジサン、このキャベツなんぼ?」問屋の親父さんは私をジロッと睨んで
「テンナナや」といいました。
「小さい方はバンドでええで」とニヤリとしています。

市場で使うスラングです。私は、一体何を言われているのかさっぱり判りませんでした。しかし、キャベツは買って帰らなければいけないので、一万円札を渡しました。おつりを勘定すればテンナナというのがいくらの意味なのかが判るはず、そう考えたのです。そして、もらったおつりが五千円札一枚。テンナナというのは五千円ということなんだ・・・。しばらくそのような買い物が続いていました。ある日、近所の知り合いの八百屋の息子さんと雑談をしていて「テンナナ」の意味の話になりました。

「テンナナって5000という意味なんでしょう?」
「えっ?!! テンナナというのは21だよ!キャベツ一箱が21円というのはおかしい。2万1千円というのも高すぎる。だからキャベツテンナナというのは2100円という意味だよ。」
「えっ!」今度は私が驚きました。
「僕は5000だと思ってずっと五千円を払ってきましたよ。」
「馬鹿だなぁ、それは騙されているんだよ。もっとも騙されるほうが悪いんだけれどね」

大声で笑われました。私は腹の虫がおさまりません。なんとかあのオヤジに一杯食わせてやりたい。八百屋の卸しよりも安く買う方法は無いものか?そう考えた結果、私が八百屋の問屋になることを思いつきました。八百屋の問屋になれば、もっと安く買えるはず・・・なんとも乱暴な話ですが、翌日朝の3時に単車で卸売市場に出かけていきました。2月の一番寒い日でした。その寒い日でも一番忙しそうにしている八百屋の問屋を見つけ、そこに行ってアルバイトで雇って欲しいと伝えました。年末の繁忙期までいてくれるなら雇ってやる、ということで時給700円で4時~9時の契約で問屋に勤め始めます。町の八百屋が買い物した荷物を乗ってきたトラックまで運んであげる仕事です。長い台車に200Kg以上積んで運んでいきます。

そんな中で、問屋のしきたりやルールを学んでいきました。
「あんたなぁ、問屋で3年続いたら店もたしたるで。」そう問屋の社長は私に言っていました。それほど仕事は辛く、たいがい一週間で皆辞めていきました。なぜか私だけ8年も続いたのです。そんな中、通っている問屋の裏手に高尾商店というネギ専門の問屋がありました。おばあさんが一人で切り盛りしています。ある日、おばあさんは台車を引っ張る私を呼び止めました。
「あんた、なかなか感心やな。辞めんと続いてるな。何年になる?」
「もう4年になります。」
「そうか、頑張るご褒美に金儲けのコツを教えたろ。」
「えっ、そんなコツがあるのですか?」
「ちゃんとあるで。何やと思う?」
「早起きは三文の得と言いますから、それは早起きでしょう?」
「そんなもん、早起きなんか誰でもできるわい。ゴルフでも目覚まし鳴る前に目が覚めたりするやろ。早起きは精神力でできる。」
「答えはな、その反対や。早く寝ること。夜6時までに使う金は生活に大事なお金や。生きてゆくためのお金。午後6時から後に使いお金は趣味のお金や、これは無くても生きてゆける。金儲けのコツは6時から後の金を使わんようにすること。だから早く寝てしまうことや。判ったか!」
「へーなるほど」
「そやけどな、早く寝るのは精神力ではできないんや。毎日早く布団に入って癖をつけていかなあかん。頑張れるか?」
あの、がばいばあちゃんみたいな高尾のおばあちゃんに様々な人生哲学を学びました。

ニンジンジュース断食

今から14年ほど前、顧問の友近さんから「これからは健康管理に注意しなければならない。だから断食に行こう。」と、誘われてはじめたのが「ニンジンジュース断食」

ニンジンジュースを朝昼晩の3回飲むが、これだけで他は何も食べない。このニンジンジュース断食を提唱されているのが、伊豆半島の伊東でクリニックをされている石原結実先生。石原先生は長崎大学医学部を卒業され、ご専門が血液内科。からだの冷えが様々な病気を引き起こし、まず芯から体を温めるための研究を始められた。そして、ニンジンジュース断食が最も効果があると発見され宿泊型の断食クリニックを経営されています。14年前ですからまだまだ知名度も低く、閑散としていました。今では、おもいっきりテレビのレギュラーとなり政財界、芸能人が殺到するところとなりました。初めて、伊東で断食を始めたときは非常に不安でしたが、そのメカニズムを勉強していくと非常に優れていることがわかります。

ニンジンジュースは、ニンジン3本、リンゴ1/4個、しょうが汁少々以上です。これでジョッキに半分くらい作れます。石原先生はこう言われます。「野生の動物は、体の具合が悪くなると食べなくなります。自然に断食を始めます。そのルールに従っているだけです。ニンジンジュースを一日3回飲むと、大体1200Kcalあります。大人の最低摂取カロリーは1600Kcal位ですから大体充足しています。クリニックでは更に10時に具の無いお味噌汁。3時に生姜湯を出しますので、これで1500Kcal以上になりますのでカロリーは問題ありません。しかし、ジュースには蛋白質や脂肪、炭水化物はありません。生体は奏してもこの3つが必要ですので、体内の余分なものを探し出し燃焼し始めます。中性脂肪、コレステロール、腫瘍、老廃物などなど。そしてそれを対外に排出してゆきます。

ですから、断食を始めて4日目あたりから、頭皮にフケがでたり、舌に真茶色にコケがでたり、尿が茶色くなったり・・・・大変な状況になりますが、これは体内の余分なものを燃焼し始めている証拠です。5日目を過ぎると、尿も蒸留水のように透明になりますし、フケやコケも消えています。体質改善がなされた訳です。最後は重湯からはじまり、おかゆ、正食と徐々に元に戻して行きます。体重も一日平均1Kg位づつ痩せてゆきます。」実際に私はそれを体験してみて、いわれるとおりの現象が起こることに驚きました。大体、一回一週間の断食になりますが、仕事をしているとなかなか行けないので、今は毎朝、朝食をニンジンジュースだけにして、お昼はお蕎麦、夜はお酒も含めて自由という献立ですごしています。

ちなみに、英語で朝食をブレックファーストといいますが、これは、ブレイク+ファースティングからきていて、断食後の最初の食事という意味だそうです。ですので、たまに夕食だけ一回抜いてみるだけでも断食効果があるそうです。

名言「年寄りは明日やないねん。今日やねん」

母と話していると、興味深い話をしてくれることが多い。前にソースネクストのブラインドタッチの練習ソフトをプレゼントしたら楽しんで練習していました。宇宙戦艦ヤマト版です。最近はそれもマスターし、グーグル検索も覚え、ケータイでのメールまで習得しネットサーフィンを楽しんでいるようです。

今年78歳です。
しかし、誰からもメールが来ない・・と文句を言っています。恐らく同年代でメールやインターネットをしている人はあまりいないのでしょう。ある日、孫がmixiをしているのを横で見ていて、自分もやりたくなり、孫から招待状を送らせて、遂に会員になってしまいました。今、ぼちぼち日記も書けるようになってきました。どうも、あちこちに足跡を残しまくっているようです。

ニックネームは「あーちゃん」
プロフィールを見ると名前のところが「うまいものくうこ」となっています。・・・ったく・・・私は、母から数多くのことを学びました。母はベンチャリストです。私の子供の頃はカット専門の美容院チェーンを企画したり、40代になったら、突然家族を置いて単身台湾に料理の修業に出かけたり、30代にはブラジル移住を考えたり、40代に素人で飲食店をオープンさせたり、また突然占い師の勉強を始め、超スピードで免許皆伝し、関西の様々な経営者の人生相談や経営相談を受けたり、考え付いたらすぐに体が動いてしまうのでしょう。

依然、母とのメールで
「今度、帰ったら京都の湯豆腐の奥丹に連れてったるわ。」と伝えたところ、大変喜んでいました。最近、悪かった膝も治ってきて暇をもてあましているのだと思います。
「去年は大変やったから落ち着いたら京都に行きたいなぁと思っててん。早く行けんねやったら嬉しいわぁ!『年寄りは明日やないねん。今日やねん』」
なるほどぉ…!今すぐにしてあげることが年寄り向けのサービスの基本コンセプトなんやぁ。
『今すぐサービス』・・・かぁあまり先が無いからそうなるんやろうな。
またヒントをもらいました。