元気の素 第43号

 

10月2日~3日と山形県かみのやま温泉にある「タケダワイナリー」さんの収穫祭に参加してきました。
あいにくの雨で、東京は暖かかったのですが、山形は息が白くなるほど寒く、油断して薄着で行った私は風邪をひきそうでした。私が飲むワインはいつもフランス産かアメリカ産ですが、日本のワインがこんなに美味しかったとは思いませんでした。飲まず嫌い・・・だったのかな?。このタケダワイナリーのワインが上質なのかも知れません。シャルドネが1000円ちょっとの価格なのですが、はっきり言って値打ちがあります。

試飲会があり、ソムリエの渋谷康弘さんや東京愛宕のチーズ専門店「フェルミエ」の本間社長などなど豪華ゲスト。雨の中、豚の丸焼きや大きな樽開けイベントなど、十分に楽しめました。シャトー・タケダというワインは最高に美味しかったです。カベルネソービニオンが60%、メルローが40%の配分で、重厚な味は癖になりそうです。毎日飲むにはちょっとお高いですが・・その中でも一番興味をもったのが「プチプチワイン」真っ白な発泡性のジュースのように甘いワインですが、ここでしか飲めません。なにか発酵途中のものらしく、日々変化してゆくそうです。この甘さと美味しさに、私はゾッコンです。また飲みに行きたいと思います。

金子哲雄さんのぶっ飛びマーケティング

前述の金子哲雄さんは、私にとって大切な友人です。
彼が話し始めると「立て板に水」。しかも、その内容の凄さに私はいつも「口があんぐりっ」です。記憶をたどって彼の活動をご紹介いたしましょう。金子さんは慶応大学を卒業後、ある石油会社に就職します。大阪に配属となり、その仕事は給油所のお世話です。給油所ががんばってガソリンを売ってくれるように、様々な企画やお世話をするお仕事です。新人の彼は、自分にしかできない方法はないかといつも考えていました。

ある時、石油販売店が販促のための折り込み広告をすることになりました。彼は、やるのだったら絶対に捨てられない折り込み広告を作ろうと知恵を絞りました。そしてできたのが、折り込み広告の下の部分にそのエリアで実施される県警のスピード違反取締りのスケジュールを印刷することでした。これは、都度事前に警察が発表しますが、意外と皆知りません。この企画は大成功。ほとんどのお家が壁にこの折り込み広告を貼ってくれたのです。広告効果は抜群です。彼はお金を使わず、最大の効果を挙げるマーケティングが得意です。その後、石油販売店の店主に受験を控えた子ども達が多いことに目をつけ家庭教師を始めます。非常に教え方が上手だったので、口コミでひろがり数多くの店主の子どもの家庭教師を依頼され、本業より忙しくなります。

その後、彼は異動になりガソリンスタンドに併設するコンビニエンスストアの企画に携わります。このことが、彼が流通業の世界に興味を持つきっかけとなります。金子さんは、会社を退職し独立する決心をします。しかし、独立してもなかなか仕事がありません。そんな時、大阪のガソリンスタンドの店主たちから、子ども達の家庭教師をもう一度頼むと呼び戻され、再び家庭教師で生活することになるのですが、結構これが儲かったそうです。そしていよいよ、流通ジャーナリスト、金子哲雄誕生となります。東京に戻った金子さんが営業の企画をいろいろ考えていたときに私は出会っています。

そして、前述の「午後6時以降のお金は無駄な金理論」に出会うのです。深夜にも大きなマーケットがある事に気づいた金子さんは、渋谷のドンキホーテに立ち、どのような客が出入りするのか独自に調査を始めたのです。それは時間ごとに客層がガラッと変わり、OLやサラリーマン、そして出勤前のホステスと同伴のお客、キャバクラ嬢にホスト、タクシー運転手と、そこには独自の客層が存在していたのです。確かに、ドンキホーテの安田社長は「愛人と行けるお店作り」と言われていますし、都会の縁日です。キャバクラ嬢を尾行し家までいって、なぜドンキホーテで買い物するのかを細かくヒアリングしたりしています。お金持ちの彼女たちなのに百貨店や専門店に行かないのか?その理由をどうしても聞きたかったのです。どうも彼女達にとって百貨店は敷居が高かったようです。価格の問題ではありません。彼女達はお金は沢山持っているのです。そして、たどり着いたその理由とは・・・「方言で堂々と買い物が
できること!」でした。ドンキホーテの勝利です。

金子流地政学

金子さんのオフィスは東京駅丸の内側の外資系ビル9階です。
一流ビルです。このようなノウハウを売る商売はオフィスの場所が重要であると一流のオフィスを選びました。でも、高額な家賃を支払う余裕がありません。この外資系ビルの9階は、レンタルオフィスになっています。昔流の言い方をすると貸し机です。しかし、立派なオフィスでバイリンガルの長身美人秘書が付いています。

一階の入り口では、空港を思わせる厳重な持ち物チェックが行われます。金子さんはこのオフィスの一角を借りることにしました。金子さんの違うところはココからです。なんとか毎月支払う家賃をただにする方法はないものか?彼は考えました。この丸の内というエリアは別名が三菱村といわれるくらい、三菱グループの会社が多いのです。

明治維新の頃、三菱の祖である岩崎弥太郎氏が明治政府からこの地を与えられたのがルーツであると聞きました。ですから、三菱マンはこの丸の内というところに尋常ならぬ思い入れがあるようです。三菱を定年退職しても毎日この丸の内界隈に散歩に来たり、再就職するにしてもこの丸の内という住所にこだわると聞いたことがあります。

金子さんは考えました。三菱を定年退職された方が、個人事務所を開いて顧問業を始めたいという方が多くいます。そんな彼らが事務所をおきたい場所は「丸の内」だったら自分の丸の内の住所を使ってもらえるようなサービスを始めよう!金子さんは、自分が借りた事務所の住所を貸し出すサービスを開始します。もちろんビル側の了解を得た上でのサービスです。

名刺を、丸の内の住所で印刷し、メールアドレスもmarunouchi.netというドメインを取得しました。郵便物等はすべてここに到着します。実際のオフィスは狭いですから、オフィス内での仕事や来客の接待はできません。お客様と会うときは、向かいのパレスホテルのロビーを使っていただくことを推奨しています。その場合、15分単位で利用できるバイリンガル美人秘書を2名引き連れ、荷物を持たせてパレスホテルのロビーに向かいます。

お客様の前まで行きお客様の目の前で「もうオフィスに帰って結構です。」とそのバイリンガル美人秘書を帰します。お客様は驚いて「きっと立派な先生に違いない!」と敬服することになります。結局このサービスのおかげで、自分のオフィス代にかかるコストをカバーし、さらに利益まで出してしまいました。

購買促進コンサルタント

引き続き、金子哲雄さんのお話です。
彼の話を聞いていると驚くことばかりです。先日はこんな話を聞きました。八重洲にある有名な、「YMS」という大型精肉店があります。東京駅の八重洲側にあるお店で回りはオフィス街。一体誰が買いにくるのであろうか?でもお店は結構繁盛しています。このお客様はどこからやって来るのだろう?通常ならお店に来ているお客様にアンケートなどとるのですが、金子さんは違いました。

いったい金子さんはどういう方法で調査したのか?このお店を中心にゴミ袋の中身を調べていったのです。ゴミ袋の中に、このお店のレシートが無いかを調べていったのです。そして、その結果江東区にこのお店のレシートが多く捨てられていたのです。おそらく、江東区に住んでいる主婦たちが自転車に乗って八重洲まで買出しにやってきていることが解ってきました。これを踏まえて、江東区に折込広告を展開することが最も効果的であることを、お店に提案し大成功を収めることになります。

今回登場しました金子哲雄さんのBlogは以下の通りです。
Marunouchi Onlinehttp://www.marunouchi.net/
【金子哲雄】
1971年4月30日生まれ。流通ジャーナリスト兼、購買促進コンサルタント鉛筆からミサイルまで、あらゆるジャンルの流通過程を「五感」で追い続けるジャーナリスト兼、日本で唯一の購買促進コンサルタント。
泉田豊彦氏率いるマーケティング実践集団に所属。現利主義(現場に利益あり)を信条に「24時間密着取材」を得意とする。