内海新聞 36号

「ういろう」これは名古屋の有名なお菓子です。しかし、そのルーツは小田原の漢方薬屋さんです。その昔、中国からやって来た漢方医「外郎(ういろう)」が始めた漢方薬店で作り始めたのが最初です。お菓子よりも「仁丹」のような漢方丸薬が有名で、今では小田原市民でもなかなか手に入りません。お菓子の「ういろう」も週に何回かしかお店が開店しないので、入手は困難なのです。

高齢化+少子化は日本をブロードバンド先進国にする!

毎日のように新聞には「IP電話」の記事が載っています。具体的にIP電話って判りますでしょうか?まだまだこれからのものですが、一言で言うと、とっても安い電話といえます。電話といえば、自宅にある黒い電話か公衆電話しかなかったのですが、最近は携帯電話がそれを追い抜き、さらにIP電話が登場します。しかし、結局・・・形は今と同じ電話のようなもので、皆は気付かないでIP電話を使うことになってゆくのだと思います。

固定電話は最近どんどん安くなっていますが、便利さで携帯電話が追い越しました。でもこの通話料は非常に高いモノになります。いつでもどこでも誰とでも・・・というマーケティングコンセプトにぴったり当てはまったものが携帯電話なのです。では、タダと言われるIP電話が登場したらどうなってゆくのでしょうか?

すべてIP電話になって、他はつぶれてしまうのでしょうか?そうではないと思っています。電話それぞれの特性と利用方法があるからです。ここからの話はフィクションです。絵空事として聞いて下さい。

さて、こうなると女子高校生などは、IP電話に走るかもしれません。何時間でもダラダラ話していて電話代がかからないのですから、こんな便利なモノはありません。携帯は、メールチェックの端末となって、会話は家でIP電話。親も「携帯なんか使わずに、友達とはIP電話にしなさい!」なんてお説教しはじめるかも知れません。そうなると、女子高生は外出する機会が減って、自宅の部屋に引きこもることになるかも知れません。家の中でIP電話をしながら遊べるものが流行り出します。渋谷のセンター街から忽然と消えた女子高生!現代の七不思議とマスコミは騒ぐでしょう!「集団誘拐か?大移動か?!」な~んのことはない、皆、自宅でIP電話です。

メーカーは、女子高校生に携帯電話を売ることは諦め、引きこもり用のパソコン周辺装置を売り始めるでしょう。一方田舎のおじいちゃんおばあちゃんは孫の顔見たさに、ブロードバンド回線とパソコンを購入し、CCDカメラを付けて四六時中、嫁や娘の家にアクセスしてきます。「孫の顔見せろ~」攻撃です。

我が社の新規事業を担当している鈴木さんは、最近宮崎県のご実家とブロードバンドの回線を契約されて、毎日常時接続を楽しんでいるということです。ご近所の電気屋さんに接続工事を一切お任せして、念願の「孫の顔ネット」が開通しました。

その結果、宮崎との会話はもっぱらパソコンで、しかもしょっちゅう「孫見せろ信号」「ピッ!」という信号が送られてくるそうです。そこで、孫ができたら、「田舎のご実家にCCDカメラをプレゼントします!」・・・というキャンペーンを全国電気店網を抱える家電メーカーさんがすればいいのにな・・・と思います。それは、孫ができたら田舎の祖父母のところにCCDカメラがプレゼントされてゆきます。キャッチコピーには、「これでいつでもお孫さんの顔が無料で見れます!」です。そしてそのCCDカメラには、適合するパソコンとADSLや光の回線の説明が書いてあり、「今すぐご購入下さい。」とあります。でも年寄りは何のことかさっぱり判りません。それを待っていたように、近くの電気屋から電話がかかってきます。

勿論メーカーと電気屋は打ち合わせ済みです。「すべてパッケージにして電気工事から出張指導まで一切オールインワンで○○万円です。これで今日からお孫さんの顔が見られます!」です。これが嫁の実家と旦那の実家の2セット販売完了の二倍二倍キャンペーンです。IP電話のもたらす影響はすさまじいものがあるようです。なぜなら、コミュニケーションというのは、いくらやりすぎても満腹にならないから、この市場は底なしなのです。日本はどんどん世界一の高齢化と少子国家に向かって進んでいます。おそらく、両家の祖父母からみれば、数少ない貴重な初孫には最大の愛情を注ぐでしょう。供給が少ない分、需要が高まり、価格が上昇してゆくのは、経済学の基本的論理です。

「子供の少子化」+「高齢化」=「日本のIP市場の飛躍的拡大」という日本発世界初の新たなマーケティング理論が展開されるのは時間の問題です。なんともこれからの日本はコミュニケーションの分野でにぎやかで忙しい時代に突入してゆくような・・・夢物語でした。

表の使い方もあれば裏の使い方もある

あるリゾート開発の会社の話です。全国のあちこちにリゾートマンションを建てて、それを各企業に格安で使って頂く、福利厚生サービスをされています。企業は入会金や月会費を支払う代わりに、その従業員は格安で全国のリゾート施設を使えるというサービスです。最近は不景気で企業自体が保養施設を売却してしまって、こういう福利厚生会社と契約するケースが増えているそうです。さて、この会社は順調に業績を伸ばしてきました。業績があがるということは、法人契約の企業がどんどん増えるという事でもあります。

そして企業数が増えると、その社員の利用者数も増えるという事になります。順調だった業績に、ある問題が発生しました。お客様からクレームが発生しはじめたのです。利用者は殆どがサラリーマンなので、土日が休みで、長期の休暇もゴールデンウィークや夏休み、冬休みと限られてきます。当然、休みの前になると予約や問い合わせの電話は殺到する事になります。利用者が増えた事で電話のかかる量も増え、話し中が増えてきたのです。

「高い会員費を払って入会したのに、いつ電話をしても話し中で問い合わせすらできない。」そういうお怒りのお電話が増えてきました。

社内では重要な案件として会議が繰り返されました。対応としては、話し中をなくすようにしなければならない。結果、コールセンターの規模を拡張し、オペレーターの数をふやして対応する以外にアイデアは見つかりませんでした。

そうすると、莫大なコストがかかり、その維持も大変です。その時、社長がこう言いました。
「とんでもない。コールセンターを拡大するのではなく、今の半分にしなさい。」皆は驚きました。今でも話し中が多いのに、設備を縮小したらさらに話し中が増えて、もっと大きなクレームになります。
社長は続けました。
「電話というのはかかってくるだけじゃなく、かけてゆくという機能もあるのですよ。お客様には逆にこちらから電話をかけてゆきなさい。」実は社長はこういうことを考えていたのです。今の利用者を良くご利用いただく順に並べ変えます。そして大きなお休みの数ヶ月前から、ヘビーユーザの順番にご案内のお電話をしていったのです。

「いつもお世話になります。少し早いのですが、次回のゴールデンウィークにご旅行のご計画があるようでしたら、今から仮予約が可能です。もちろんそのための費用はいりませんし、直前のキャンセルもOKです。今ご予約頂けると、次のような特典もついております。」この様に利用の多いお客様や、最近入会されたお客様から順番に電話をし始めました。そうすると、最近とてもサービスが良くなったと評判があがってゆき、事前に良く利用するお客様から予約をとってゆくので、直前の予約問い合わせの電話は緩和されてゆきました。

さらに突然予約のキャンセルがあっても、事前に予約の入るホテルは当然人気ホテルなので、キャンセルになってもすぐにキャンセル待ちで埋まってゆきます。逆転の発想ではありますが、今後はこの様な既存客の利用頻度アップのための、攻めの営業というものが主流になってゆくような気がしています。

安らぎの空間「そば処 三城(さんじろ)」

私の会社の近くのダイヤモンドホテルの向かいに「三城(さんじろ)」(03-3263-6762)という手打ちそばのお店があります。11時30分~15時までの営業で、ランチタイムだけのお店です。 メニューはひとつのコースだけです。

席に着くと美味しい地酒と茸と大根おろしの肴が出てきます。その後、手打ちのざるそばがでて、大きなお皿に盛られたお漬けもの、信州の花豆のデザート・・・というコースです。いつも満員で、先日、私は時間をはずして2時頃の遅いランチで行きました。

ここのお店は、中にはいると昼なのか夜なのか全く判りません。 またBGMも無いので時間が止まっている感覚です。 静かにゆっくりできる、とても居心地の良いお店です。 私はここの女将の大ファンです。 30年近くもお店をされていて、来られるお客さまも政財界のトップクラスの方々ばかり。 さまざまな業界の方々が数多くこのお店を訪れ、女将には本音で語ってゆきます。そんな体験から培われた女将の時代を見抜く目は相当なモノだと、私は一目を置いています。

昨日、遅くお店に行ったので、お客は私一人でした。 久しぶりに女将と二人でゆっくりお話が出来ました。

「今の時代は、これまでの中で一番過ごしやすい良い時代だと思うよ。」
女将はそう言いました。

「でも今の時代は不況で大変だよね・・・・」
私は言いました。

「そうね。でもやはり本物というのか、正しいものかどうかがふるいにかけられる、まじめな時代になったと思うの。だから良い時代なのよ。」
「お店を流行らせるコツって一体何?・・」
再び私は質問しました。

「それはね・・・大切なお客様に何を売るのか?ではなくて、何を売ってはいけないのか?を考え続けることね。」
「参った!」・・・そう思ってしまいました。