内海新聞 34号

【隠れ家】私が10数年前から良く行くお店に「玉井」(03-3401-1447)というお店があります。青山の外苑前にあります。ベルコモンズの交差点の外苑西通り(通称キラー通り)を代々木の方向に200m位歩くと右側に小さな公園があって、一つ目の歩道橋があります。その交差点を斜め右に入る道を5m位行った左側に黒い雨戸があります。両側に塩が盛られて裸電球が一個灯っていて看板もなにもありません。

そこが「玉井」です。何度説明しても一回で来れた人はいません。もちろん、絶対に判らないですから通りすがりの客も一人もいません。関西風の和食のお店で、私はとても気に入っています。今はオーナーが変わって、「玉井」から元玉井ということで「もとたま」となりました。勇気を出して黒い雨戸を開けてみて下さい。地下に続く細い階段があります。その階段を下りるとそこは別世界です。ちなみに「タコの柔らか煮」は絶品です。

運転代行業と法律改正 1

田舎に行くと目に付くのが、天井に行灯型のランプを付けた軽自動車です。これは運転代行というサービスをする会社の車です。運転代行業は、車で来店し、お酒を飲んだ客をその客の車を運転して自宅まで送り届けるサービスです。二人一組で行動し、現地までは一台の軽自動車で到着し、一人が客を乗せて客の車を運転して自宅まで送ります。もう一人は、軽自動車で追尾して、自宅到着後、ドライバーをピックアップして帰還します。

20年くらい前に登場し、現在では1500社以上あるといいます。2002年6月に施行された改正道路交通法で、飲酒運転に対する罰則が大幅に強化されたことから、運転代行の利用客は急激に増えています。タクシー業は「旅客運送業」という法律による様々な規則があります。一方、運転代行業は「運転を代行すること」がサービスの目的であるために、「旅客運送業」には該当しません。いわゆる、法律の隙間産業でした。しかし、今回の改正道路交通法で運転代行法が加えられ、この法律によって、運転代行業者は厳格な条件のもと、各都道府県公安委員会の認定を受ける必要になりました。この認定条件で一番大きかったのが、自動車二種免許非保有者の運転禁止です。

つまり、タクシー業者と同じようにドライバーに二種免許を取得させるか、二種免許を既に持っているドライバーを雇わなければなりません。現状、アルバイトドライバーが多く、二種免許取得は困難です。従って、この運転代行業は絶体絶命のピンチとなりました。二種免許の点で有利なタクシー業界が、この運転代行の世界に一斉に参入してきたからです。運転代行の開業の仕組みは以下の通りです。

運転代行業の元締めは無線機や代行車である軽自動車の屋根につける「営業用の行灯(あんどん)」を貸し出す仕組みです。この賃借料が代行業車側の主な収益で、ドライバーが稼いだ“手数料”は、そのままドライバーの取り分になります。つまり完全成果報酬型のビジネスです。運転代行の料金はタクシーと同様の計算ですが、2名で行動することから、ワンメーター1500円くらいです。タクシー業界は、利用者の減少による売上げの低下、同業者間の価格競争など、取り巻く環境は厳しいだけに、運転代行の市場を奪取しようと考えたようです。

何事も、規制が緩和撤廃されたり、新たな法律が整備されたりという変化があった時というのはビジネスチャンスが生まれることがあります。今回の道路交通法の改正による運転代行業規制は、考えようによっては大きなビッグチャンスかもしれません。勿論、タクシー業界が一番のチャンスなのでしょうが、本来の運転代行業にとっても、大きく飛躍するチャンスかもしれません。

メニューのアイデア

小田原で飲食ベンチャーを展開する野田迅(じん)さんという若手経営者がいます。
その野田さんが新しいタイプの居酒屋をオープンさせました。「じんりき厨房」(0465-22-2979)といいます。この店のあちこちに様々なアイデアが溢れています。たとえば、食器の取り皿もテープルの上にある油紙を敷いて使います。お客様は使った紙を捨てて一つのお皿を使い続けます。店にとっては余分な皿を出さなくて良いので、経費削減になります。

またオーダーは各自セルフサービスになっています。伝票に各自書いて店員に渡します。そして、何より面白いのはメニューの1ページ目です。全ページ使って、最寄り駅の交通機関の「最終電車のご案内」が書かれてあります。各路線の上り下りの最終電車の時刻表が大きな文字で書かれてあります。「最終電車ぎりぎりまで安心して飲んで下さい」といメッセージです。客にとっては、さりげない、また嬉しいメニューのひとつです。

運転代行業と法律改正 2

こんなことを考えました。全くの思いつきなのですが・・・・・
地方での交通機関は、自家用車が殆どで必需品です。交通機関もバスかJRしかありません。通勤は殆どが自動車です。最初から、お酒を飲んで帰宅すると決まっているのなら、出勤時から車は使わないでしょうが、突然今晩飲みに行くということも多々あります。そんな時、運転代行があればとっても便利ですし、飲んだら運転しないという意味でも、社会的にも非常に意義があります。そこで、私が考えた方法とは以下のようなものです。タクシーやバスは旅客業になります。今回、運転代行業も客を運ぶ事が目的なので旅客業として加えられました。旅客業ということになれば法律の規制が様々発生してきます。これは前述した通りです。

ここは、発想を変えて考えてみると、「人を運ぶ」という考え方から脱却し、「自動車を運ぶ」という風に転換したらいかがでしょうか?旅客ではなく、陸送の運送業ということになります。よく街中で走っている、駐車違反を取り締まるレッカー車を想像してください。また、JAFの故障車を陸送するレッカー車を想像してください。車両運送サービスとして捉えると、また違ったサービスが誕生するかも知れません。牽引には牽引自動車免許が必要かもしれませんが、これは簡単に取得できるらしいです。レッカーや牽引は道路交通法(自動車の牽引制限第59条)では以下のように定義されています。

自動車の運転者は、牽引するための構造及び装置を有する自動車によつて牽引されるための構造及び装置を有する車両を牽引する場合を除き、他の車両を牽引してはならない。ただし、故障その他の理由により自動車を牽引することがやむを得ない場合において、政令で定めるところにより当該自動車を牽引するときは、この限りでない。

自動車の運転者は、他の車両を牽引する場合においては、大型自動車、普通自動二輪車又は小型特殊自動車によつて牽引するときは1台を超える車両を、その他の自動車によつて牽引するときは2台を超える車両を牽引してはならず、また、牽引する自動車の前端から牽引される車両の後端(牽引される車両が2台のときは2台目の車両の後端)までの長さが25メートルを超えることとなるときは、牽引をしてはならない。ただし、公安委員会が当該自動車について、道路を指定し、又は時間を限つて牽引の許可をしたときは、この限りでない。

「ご自宅まで、お車をお運びします。車宅便サービス」みたいな新規事業の旅客運送業ではない、お車の運び屋さんです。陸送距離で課金され、さらに運転代行のような二人一組で行動するのではなくて、一人で活動が可能です。料金も安い設定が可能です。

お酒によった客は、自分の車の座席やレッカー車の助手席に便乗して陸送してもらいます。あるいは自分だけタクシーで帰っても大丈夫です。私は便利だと思うのですが・・・。

おまけ(先月号の感想文)

先月号の「ホステス様御用達 ペット一時預かりサービス」を読んで、イマジニアの吉本さんから以下の感想が寄せられました。大変興味深い内容です。

今回の記事で、ホステスさん御用達のペット預かりビジネスにはとても心をひかれました。友人から聞いた話なのですが、ホステスさんへのプレゼントで、血統書付きの犬や猫などは多くを占めるそうです。ところが、飼うことができないホステスさんは仕事帰りに捨ててしまうそうです。ですので、麻布や六本木の保健所には純血種の犬や猫がたくさん保護されている、そう話していました。もしこのようなサービスがあれば、「飼ってみようかな」とホステスさんに思わせることはありえそうですね。動物保護の観点からもありそうだな、と思いました。

また、「はえなわ漁マーケティング」を読まれた小林マークさんからお手紙をいただきました。ありがとうございます。「それは、私が株式会社ジンテックの学生社員だった頃から数えて13年目の春、いえそんな表現はやめて、昨日の話でした。ひょんな事から内海新聞を読む機会が与えられ、2003年1月号のイッセー尾形さんの話、2月号の三重県の看板業者の話、拝見させていただきました。偶然ではありますが、イッセー尾形さんを見に行ったのも私でしたし、看板業者の学生アルバイトを手配していたのも私。あの頃が今のジンテックの原点だったのかなぁと懐かしく読ませていただきました。

結婚7年目1度も喧嘩したことがないことが自慢である私の妻から「これはジンテックで学んだこと」という表現を最近良く使うことを指摘されました。世間のことを何も知らない社会人学生の私に内海式営業をはじめ、いろんな社会のお約束事をよりおもしろく指導いただいた内海師匠とジンテックのご繁栄をココロからお祈りしています。そんな私も35歳になり代々木に住居を構え医師としてなんとか生きています。なんとも照れくさいですが、とても嬉しいお便りでした。