内海新聞 33号

麹町。今事務所のあるところです。しかし、何か懐かしい響きが耳に残ります。そして最近その理由が判りました。田舎にいた小学生の頃、お菓子などの懸賞応募の宛先が「麹町郵便局」でした。それから、次に多かったのが「牛込局」。何枚も何枚も官製はがきにこの住所を書いて送っていたことを思い出しました。なぜかこの二つの郵便局が多かったのです。

はえなわ漁マーケティング

ある日突然私宛に手紙が届きました。
「全国報道協会」何かの取材の依頼かな?と思いながら封を開けました。その中には、かつて私が取材された見覚えのある新聞記事のコピーが一枚はいっています。そして鑑文には以下のように書いてありました。

ーーー拝啓 時下益々ご清栄の事とお慶び申し上げます。弊会は、全国の新聞雑誌その他出版社が掲載した個人・会社・団体から諸官庁・学校関係に至る記事の中から「末永く保存するに値するもの」を私共選考スタッフが選ばせていただき、その方々へのみ特別にご案内申し上げているものです。・・・・・同封の写真のような、重厚で優美な光を放つ銅板に刻み込み美しい額に収めてお届けいたします。この記念額が今日の感動や思い出がいつまでも鮮やかに生き続けます。と書いてありましたその記事は、数ヶ月前に私があるセミナーで講演したときの新聞記事で顔写真入りのものでした。価格は消費税込みで18、900円です。

一番下の但し書きのところに、「弊会は日本新聞協会及び各新聞社との業務提携・資本参加等の関連はございません。又、政治、宗教など特定団体との関係は一切ありません・・・とあります。悪質商法と紙一重ですが、なかなか人間の心理をくすぐるマーケティングだと思いました。たぶん全国の新聞を購入し、毎日めぼしい記事を探しているのだと思います。そして住所が特定出来る記事だけをピックアップし、片っ端からDMを送っているのだと思います。私は、一体どんなものか勇気を出して注文してみることにしました。約1ヶ月後、立派な木枠の額に収められた銅板が送られてきました。私は、会社の創業当時に依頼を受けたある一つの仕事を思い出しました。

===会社創業の頃は、ほとんど仕事が無く、どんな仕事でも請け負っていました。それは三重県にある看板会社からの仕事でした。その看板会社は少々変わっていました。扱う看板が限定されていて一点集中方式だったのです。その看板とは、建設会社や工事現場に掲げてある「建設業許可証」の看板です。ご存知の方も多いと思います。建設業の許可内容によっては何枚も必要です。ステンレス製の立派な銀色の看板です。この看板会社はこれを通信販売で販売していました。それはこういう仕掛けです。県庁には建築業許可を申請している工務店の情報を閲覧することができます。そこで県庁に行き、最近建設業許可の申請をした会社を閲覧し、その会社名・住所・電話番号や申請項目、代表者名などを転記します。私の仕事は、県庁に行って閲覧転記し、それを三重県にある看板会社にFAXで送り返す仕事です。

三重の看板会社はすぐさま、建設業許可証の看板製作案内のパンフレットをダイレクトメールを郵送するのです。当時、私は学生のアルバイトを雇って、都庁や大宮、千葉、横浜、前橋、甲府など関東地方の県庁に何度も派遣したものです。この仕事は結構継続して依頼がありましたので、きっと効果があったものと思います。建設業の許可申請すれば、その許可番号が交付されます。その番号を記載した看板を作って掲示する必要があります。しかし、工務店は他にしなければならない手続きや仕事のほうが多く、建設業許可証の看板をつくることはおそらく優先順位は低かったはずです。どの看板会社に依頼しようと思案する時間など無かったかもしれません。そんな時にタイミング良く『建設業許可証の看板を迅速に安くお作りします。』などというダイレクトメールが届いたとしたら注文してしまうかも知れません。

===これは「必要なときに必要ものを必要なだけ」というマーケティングの論理を忠実に行っている方法だと感心しました。マグロを捕獲する漁業の方法で「はえなわ漁」というのがあります。目指すマグロのいそうな海底に何10キロも縄に付けた無数の釣り針を流し、漁船で引っ張りながら漁をする方法です。私は、これにちなんで「はえなわ漁マーケティング」と名づけました。全国報道協会も建設業許可証看板会社も、まさしく「はえなわ漁マーケティング」です。

ホステス様御用達 ペット一時預かりサービス

昔、ある方とこんな企画を進めていたことがあります。その名も、「ホステス様御用達、ペット一時預かりサービス」

また、妙な事を考えたものです。今から、14年前の話です。でもこれはしっかりとニーズがありました。一言で言えば、夜間のペットホテルです。ホステスのお姉様方が、夜にご出勤されるとき、可愛いペットのワンちゃん、ニャンちゃんを一人マンションにお留守番させるのは可愛そう・・・だから何とか同伴出勤したいというニーズがあることを知りました。お姉様方の外車の助手席にちょこんと座って一緒に銀座に出勤出来たらなんて素晴らしいでしょう。しかし、たとえ一緒に出勤出来たとしても、お店の中まで連れて入ることはできません。ましてや、自動車の中に置き去りというのも可愛そうです。お店のマネージャーも毎日面倒はみてくれないでしょうから・・・。

そこで考え出されたのが、「ホステス様御用達、ペット一時預かりサービス」だったのです。銀座の一角にある、会員制のペットホテルです。そこには、それぞれのペット専用のお部屋が既に契約されています。そして、それぞれのペットの嗜好や習慣、性格などが既にデータベース化されています。専任のお世話係がついています。ペットフードやドリンク類もペット様にあわせて用意されています。まず、ペットがお姉様方とご出勤されると、お店に電話がかかっ専任のお世話係が、お姉様のお店までペットをお迎えに上がります。お姉様のお仕事が終わると、お店に再び電話がかかってきますので、ペットを、お姉様のお店までお連れします。大体、ご出勤が夜の7時から8時頃、そしてご帰宅は深夜の2時とか3時のリズムとなります。費用は、すべて月極契約となっており、月初の先払いとなります。

通常、銀行引き落としの契約にしてもらえば管理が楽なのでしょうが、毎月現金で頂戴するようにしておくと、景気の良い時は、チップがでることも予想されるため、あくまで現金支払いにしてあります。ペットフードやドリンク類は別途精算となります。オプションとして、シャンプー&トリミングサービスも始めます。さらにお見合い仲介、里親探し、獣医師紹介、葬儀、動物霊園紹介などなど、アフターサービスも充実しています。ホステス犬は、たいがいマルチーズ、プードル、ポメラニアン、チワワ、ヨークシャーテリアといった小型犬が中心です。グレートデンやドーベルマン、ゴールデンやラブラドールレトリバー等々の大型犬は扱わないこととなっております。この様なお店をその歓楽街の端と端に2店舗づつ設置してゆきます。銀座、六本木、池袋、新宿、薄野、大阪新地など、全国の大きな歓楽街を中心にフランチャイズ展開をしてゆきます。イメージだけは爆発的に拡がってゆきましたが、本業が忙しくて実際には行動はしませんでした。言ったことは、したことにならない。したことだけが、したことになる。

ねじりまんぽって?

ねじりまんぽ・・・一体何のことだかお判りでしょうか?

京都の地下鉄東西線の蹴上駅の改札口前にある周辺地図に「ねじりまんぽ」と表示されています。「一体なんだろう??」駅の周りを見渡してもそれらしきものはありません。あたりの人に聞いても「さぁ、聞いたこともありません。」「判りません」蹴上駅は南禅寺に近い駅です。そして、蹴上駅から南禅寺に向う途中にレンガ造りの小さなトンネルがあります。そのトンネルの中を見て驚きました。なんの変哲もないトンネルですが、内部をよく見ると、トンネルの天井のレンガが渦巻状に捻って敷き詰められてありました。確かにねじれています。

これが「ねじりまんぽ」なんだ。棒を両手で雑巾を絞るように捻ると、元に戻ろうとする力が働きます。その復元力を利用して、トンネルの上からの力を分散して強度を高める工法らしいです。このねじりまんぽという工法に興味を持ちました。「陽気発処」これで「ねじりまんぽ」と読むらしいです。地元の人も詳しく知る人は少なかったのですが、この当時では最新の建築技術だったということです。