内海新聞 32号

明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。昨年末の納会は恒例の熱海での総料理長の内海による社員感謝デーが開催されました。今年も内海が一人で中華のフルコースを約50名の方々に無事振舞うことができました。今年の一番人気も、やはり「手羽先の唐揚げ」でしょうか?遂にジンテックにも飲食事業部ができるのか?! いえいえあり得ません。

人間 本田宗一郎を語る(最終回)(本田宗一郎執事 原田一男)

【創立十五周年記念行事】
原田さんのお話も今回で最終回です。
「周年行事」
このような行事は、どこの会社にも良くあることですが、普通は会社、つまり経営者側から話が出され、そちらで立案から実行まで行われます。ところが、本田技研の場合は全く逆でして、「会社を挙げて行う行事だから、皆で考えて欲しい」と、これが経営者から出された話でした。

そして更に、「全従業員を対象にアイデアを公募し、その審査をこちらに任せてもらい、一位になった提案をみんなで行うことにしたらどうだろうか?もちろん、その経費一切を会社が負うことにする。」こんなスタートだったから、まとまりも早かったのです。アイデア公募の結果は、浜松製作所某課からから出されたものが一位に入賞しました。そして、その内容は、全従業員(当時8000名)を京都に集め、京都見物をした上で、京都の一夜を本田技研が買い占めて全社員が自由に豪遊する。

その晩は、分散宿泊をして翌日一同に会し、記念式典を行って解散するというものでした。この発表を知った時、従業員達の中にはこの提案を出した方も思い切ったことを書くものだ・・・と思いつつも、審査員もよくぞ選出してくれたものと、拍手喝采せざるを得ませんでした。このように、経営陣の愛情に感謝しながら、心を一つにして成功させねばならないと、お互いを励まし合う従業員たちでありました。従業員たちによって実行委員会がつくられ、このメンバーたちは、夏期休暇を返上して京都の街に飛びました。市役所にまずご挨拶をし、あとは自分たちの足で街中を走り回りながら、ホテル、旅館、歓楽街、娯楽施設を廻りながら契約を取り付けてゆきました。

一方、参加する従業員に対しては、京都の街の不案内者もいることも考え、団体行動を積極的にとらせる手段として、次のアイデアが採用されました。それは、男性が統一したホワイトアイボリーの半袖シャツ、女性は同色のブラウスの着用を義務づけ、着用者は本田技研の従業員であると理解していただき、市内のバスは無料。また飲食店・娯楽施設等は目印としてちょうちんを入り口につるしていただきます。そして指定の半袖シャツ、あるいはブラウスを着用している者に限って、食べ物・飲み物・劇場娯楽施設もすべて無料にして頂くこととし、後で実行委員会がすべて精算という方法で行われました。

こうした方法が、街の人々の協力によって実行されたおかげで、お金を持ち歩かないでも豪遊が出来たばかりでなく、何のトラブルもなければ、道に迷った者も出ることはありませんでした。そして、楽しい京都の旅の思い出を作ることができたのです。京都の街の宿泊先で一夜を過ごした8000名の従業員は朝食を済ませ、迎えに来たバスに揺られて京都グラウンドに到着します。そこでは既に各地区のバレーボール対抗試合の予選で勝ち抜いたチーム同志の最後を飾る決勝戦が開かれ、それを皆で応援しました。対抗試合が終了すると、全員が京都グラウンド内に整列し、創立15周年記念式典終了のフィナーレに切り替えられました。本田さんからは、この行事で見せてくれたアイデアと実行力をこれからの仕事にも発揮してほしいという、感謝と激励の言葉がありました。そして、実行委員長からのお礼の言葉の後、万歳三唱ですべてが閉幕されました。その後は、それぞれが、バスに分乗して、帰路につきました。まだまだ、お話は延々と続きました。

原田一男さんとお話をしていると、何か「ポッ」と心に火が灯るような感じがします。さっきまで本田さんと会われていたような感じで、ニコニコしながらお話をされます。先日、新宿にある本田宗一郎さんのお屋敷を見に行きました。大きな門に木製の扉のガレージがいくつもあり、さすがクルマ好きの本田さんだたんだなぁ・・・と思いました。生前は毎年、お庭の川に鮎を放流され、鮎釣りパーティーを行われるなど、サービス精神旺盛なやんちゃなおじいちゃんなんだという感じがしてきて、思わずひとりにやけてしまいました。

最強の感激語は自分の名前 「バイネームサービス」

最近、あるニュースで興味深い記事を見ました。
サービス業に於いて、お客様の名前を覚えるというのは、とても重要なこと・・・というものです。まず、その記事を読んで下さい。

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六本木にお客を感激させるレストランがある。Casita(カシータ)という。六本木交差点から芋洗坂を降りて5分から6分歩くと、青山方面からきた大きな通りに出る。そのちょっと手前左側にその店はある。1階からエレベーターで昇って3階で降りる。エレベーターを出ると「いらっしゃいませ○○様」とにこやかにお店の人が出迎える。「え! なんでわたしの名前を?」と思ってしまう。「たしかにわたしは数カ月前に来たことがあるが、そうだとしても名前を覚えていてくれるとは…」と、驚き、感動する。静かで大人っぽいレストランのサービスが話題になっている。それは「バイ・ネーム・サービス」というものである。

Casitaの高橋社長は「お客様のお名前をお呼びすることによって、お迎えし、おもてなしするのがうちの店のモットーであり、やり方なのです」と語る。高橋社長は東南アジアでもっともホスピタリティーの優れているリゾートホテルを経営するアマングループのリゾートホテルに何回も自ら泊まってそのホスピタリティーを研究したという。「そこで知ったのがバイ・ネーム・サービスというやり方なのです。お客様に心地良く過していただくことを磨き上げているアマングループの理念を、わたくしとしては自分のレストランの経営で実行しているのです」なるほど、顧客満足を「個客」満足として昇華させているところはマーケティングの真髄といえる。そして心地良い経営価値をお客様に味わっていただくエクスペリエンスマーケティングとしても、このCasitaは良い実例である。バーンド・H・シュミットを一度ご案内したくなるレストランである。来店客のお名前を店長、スタッフの方々がどうやって覚えるのか、それはCasitaノウハウである。
(日本マーケティング協会「マーケティングホライズン 2002年7月号」より)

内海新聞の第4号の【発想の原点】というところに書きました「お詫び券」を思い出しました。お店を始めた頃、失敗続きでお客様に叱られてばかりいました。でも、それを改善する手だても何もない。仕方なく「謝る」という行動にでることにしました。その時に考えたのが「お詫び券」です。お怒りになったお客様にお渡しする券です。その券は、真ん中で二つに切り取れるようになっています。下半分には、お怒りになられたお客様のお名前とその状況を書きます。そして上半分のはこう書いてあります。「本日は大変申し訳ございませんでした。次回お越しになるまでに、今回の件は改善しておきます。今回のお詫びのしるしとして、次回はいくら召し上がっても何人でお越しになっても一切御代は頂戴いたしません。」この上半分をお客様にお渡しします。お客様は一瞬驚かれますが、納得して帰られます。そしてまたこの券を持って来店されます。

私は、持ってこられたそのお詫び券にある通し番号から、下半分の控えを探し出し、お名前と当時状況を確認し、「山田さん。いらっしゃいませ。先日は大変失礼なことを致しました。今日は精一杯頑張りますので宜しくお願い致します。」ホールに出て行ってそうお伝えしました。お客様は、自分の名前を覚えてくれていたということで納得され、殆どの場合これで許してもらえました。私の場合は、控えからカンニングしたので、ちょっとインチキでしたが・・・お客様のお名前を覚えるって大切なことだなぁ・・・と感じていた当時の様子を思い出しました。この六本木の「Casita(カシータ)」というお店、一度行ってみたくなりました。このお店は、どのようにしてお客様のお名前を覚えているのでしょう?大変、興味があります。

レストラン・カシータ
東京都港区六本木 5-10-25 六本木プラース 3F
TEL:03-5414-3190

先月号のイッセー尾形さんの記事にコメント

前回の内海新聞の31号に掲載した「プロジェクトX」とイッセー尾形さんのコントの話で登場した林尚司さんから直々にコメントが寄せられましたのでご紹介します。

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「イッセー尾形がなぜ可笑しいのか僕達には解らない」というのは、「どうして社会人の人たちは自分達のことを笑いのネタにされて可笑しいのかが理解できない」という意味だったんですよ。今でもその時のことはよーく憶えています。かなりショックで奇妙な体験でした。どうして自分達のことを笑えるのか???いつだったかは忘れましたが女房にイッセー尾形に行こうと誘われましたが、断りました(笑)やはり自分の事は未だに笑えません!因みに(笑)「プロジェクトX」を見て泣いた事は何度もありますよ。物語というのは力があって、弱くなった大人にはとても響くものがあります。

「物語性のある営業」もまた力を持っていますよね。これは若い僕が内海さんから学んだことですよ。