内海新聞 22号

早いものでもう2002年の2月。時間の過ぎるのは早いものです。今年は誰に聞いても「厳しい1年になるだろう」と言います。1929年10月24日木曜日のウォール街から始まった世界恐慌は翌年、昭和恐慌となり世界で2000万人以上の完全失業者を生んだと学びました。しかし、今も私達はしっかり生きています。時間は世界に公平です。ポジティブに時間を過ごしていきたいものです。

西澤潤一教授の教育現場視察

2001年の春にNHK-BS1で3日間連続で教育現場の取材番組がありました。現在岩手県立大学学長の工学博士である西澤潤一先生が、アメリカや中国の教育現場の様々な人々の取材をしてゆく番組でした。

私は、この番組を偶然見ましたが、大変考えさせられる内容で今も考え続けるテーマを与えてくれました。西澤先生は、アメリカの田舎にある高等学校を視察に行きます。この高校は全寮制です。そして生徒だけではなく、先生もその校舎とつながっている宿舎に家族で住んでいます。ある人に聞きますと、かつての日本の旧制中学校もこれと同じで全寮制で、先生もその敷地内に住み、校庭の横に畑を耕したりしていたそうです。このアメリカの高校は9クラスあって、毎週金曜日に試験が行われ、成績が悪いと、特別クラスに変わらなければなりません。そこで、さらに成績が悪いと退学です。毎日毎日、猛勉強しなければなりません。

この高校に、ある一人の日本人の女子生徒を発見します。
「あなたは日本人ですね。」聞いてみると彼女は昨年一年間AFS(アメリカンフィールドサービス)という交換留学生制度を使って、この高校に留学していました。一年間がすぎ、帰国しましたが、彼女は日本の高校を退学し、再びこの高校に留学してきます。西澤教授は不思議に思いました。

「あなたは、なぜ、日本の高校をやめてまで、アメリカのこんなに厳しい学校に編入する気になったのですか?」

彼女は話し始めました。「私が日本にいたとき、皆、私がどんな女の子かイメージを持っていて、私もその期待に応えるような話しかなかった・・・。先生が喜ぶような答え・・・両親が気に入るような答えを選んで話していました。そうしたら、いつか私は『私は一体誰?本当の私はこんなじゃない。もっともっと違うことを考えている自分がいるのに・・・』そんなことに気付きはじめたんです。そんな時アメリカのこの高校に留学することになりました。

ここで勉強して感じたことは、相手の事を知るために徹底的にみんなで話します。そして、私もみんなの意見を一生懸命に聞きます。そういう時間がたっぷりあります。だから毎日がとても楽しい。毎日の勉強はとっても厳しいけれど、私はこの高校で勉強できることを大変光栄に思います。」と彼女は言いました。

私は、この「光栄に思う」という言葉に大変驚きました。一体、今の日本の中で、自分の高校で学べることを光栄に思っている高校生は何人いるだろうか?西澤先生は質問を続けました。
「あなたは、何のためにこんな猛勉強をするのですか?」
「社会にでて、恥ずかしくない教養を身につけるためです。」
西澤先生は、ためしに他の高校生にも同じ質問をして見ました。
するとみんな「教養を身につけるためです。」と応えます。

誰一人、一流大学にいくためとか、医者になるためとか、豊かな生活をするためとか言いませんでした。日本に生まれ、17年間日本の教育を受けて育った少女が、たった1年間アメリカに留学しただけで、こんなに生き生きしたキラキラした目に変わっている。ものの考え方とは国民性とか民族性とかに支配されているのではなく、しっかりした教育システムで変わるのかもしれない・・・という事を感じました。

西澤先生は、今度はニューヨークに飛びました。そこでドリアン助川さんというロックミュージシャンに会うためです。彼のアパートを訪ねました。ドリアン助川さんは、日本にいたときは、ミュージシャンでありながらラジオの深夜放送で中学生、高校生たちの人生相談をしていました。

「人生もっと前向きにいきていこうぜ!」
「自分が納得できる人生を歩もう!」
「世の中、そんなに捨てたもんじゃないよ・・・」
彼は、マイクに向って答えていました。

でも、ある日気付いちゃったんです。ココでこんなことしている場合じゃないって・・・ドリアン助川さんは話します。「人生もっと前向きに生きようぜ・・・って言ってる俺は本当に前向きなのか?自分の人生に本当に納得しているのか?世の中そんな捨てたもんじゃないって・・。・今本当に思えるのか?」人を輝かすには、もっともっと自分自身が輝いていなければならない。なぜなら子供達はみんな、先をいく大人の背中を見て育ってゆくものだからです。それで、私は日本での仕事を全部やめて、昔から夢だったこのニューヨークに住んで、英会話学校に通って、英語でロックを歌うバンドを作っています。まず、自分が納得できる人生を選び、自分自身が輝き続けること。それが、今一番しなければいけないことなんだって気がついたんです。」

もっともっと輝き続けること・・・・・。さきほどの、女子高校生もこのドリアン助川さんも、自分自身が納得できるように挑戦しています。自分の人生を最初から型にはめたり、妥協したり、無気力になったり・・・そんな人生より、もっともっと一所懸命生きてゆこうとする姿に感銘しました。
<続く>

お父さんって大キライ

<続き>
西澤先生の視察番組は、非常に考えさせられるものがありました。私の友人で、コラムニストの相米周二君がいます。

彼は、私がジンテックを創業したころに、日経流通新聞の記者として取材にきたのがきっかけで親しくなりました。彼は、現在、様々ところでコラムを書いていますが、新幹線でしか買えない「WEDGE(ウェッジ)」という雑誌の中にもコラムを書いています。

その「WEDGE(ウェッジ)」の今月号(2002年2月)に「拝啓オヤジ殿」というコラムを書いています。登場するのは父48歳アパレルメーカー部長。娘17歳高校2年生です。「お父さんは矛盾だらけの人です。しばらく私はお父さんを無視します。私の意見にちゃんと答えたら態度を改めてもいいっすよ。」からはじまります。「お父さんは言います。モノは大事にしろ。粗末にするな。まだ使えるだろう。もったいない・・・その通りです。私は簡単に捨てたり買い換えたりしてきたし、貧しい人たちから見たらなんと大バカモノって映るでしょう。でもお父さん、あなたはモノを大切にしていますか?

そして、あなたの会社ではモノを大切に扱っていますか?色・デザイン素材・機能の異なる服をつくってるけれど、それって毎年出す必要がありますか?

「もう時代遅れです」調の広告を大々的にPR。洋服って何年も着れるじゃないですか?時代遅れの服はどうしているの?貧しい国々の人に送っているという話も聞いた事ないし、リサイクルしているって話も聞いた事がない。そのあたりどうなってんの?

そして、この「時代遅れ」っていう言葉・・・時代に乗り遅れるな、時代に遅れたら損をする。泣きを見る奴は時代に乗り遅れた奴ばかり。勝つ奴は時代に敏感なんだってっていう言い方、気に入らないよな。・・・

お父さんが言う、その「時代」というのは単なる比較だけなんだよ。他人と比較してどうとか、同僚と比較してどうとか、他の会社と比較してどうとか・・・お父さんが部長に昇進した時も、時代を見抜いているからと自慢してたけど、昇進できなかったら時代遅れなわけ?熱心に読んでる本や雑誌は勝ち組がどうの、あの会社のボーナスがどうのと比較した奴ばっかりじゃん。

もうお父さんが敷いたレールの上を歩くのはまっぴらご免。お母さんとの結婚もまさか、いろんな女性たちと比較して選んだんじゃないだろうね。愛情とかは二の次三の次で・・・、それが本当だとしたら私は何なの?とにかくお父さんは得体の知れない理解できない人。私の疑問にちゃんと答えてください。」(ウェッジ2002.02より抜粋)前頁の【西澤潤一教授の教育現場視察】の中にもでてきました。子供達は皆、大人の背中を見て育っていく。自分自身が思いっきり輝いていないと、人を輝かすことなんてできやしない・・・

今、日本はとても大切な時代の過渡期にあるのかも知れません。ココに登場した人々は、本当にごく当たり前のコトを言っているように思います。でもその当たり前のことができない、変な時代です。信じられないような事件や企業犯罪が続きます・・・。

時代は必ず人がつくるもの・・・。人がすべてだと思います。すでに世の中が、「シェア拡大の時代」から「顧客満足の時代」へ急速に変わりつつあるように感じます。

安眠ビジネスってどうでしょうか?

先日、渋谷の東急ハンズに行った時、「パウダービーズ」という素材の枕を見つけました。本当に細かいビーズなのですが、このパウダービーズを薄手の伸張性のある生地で包んだ枕です。触っているとプヨプヨしてなんとも気持ちが良いのです。いつまでも、触っていたくてその場を立ち去れません。数人の女性の方々も同じように、枕を触り続けています。それを見ていて、ふと思いました。さぞ気持ちよく眠れるだろうな・・・と。

その時、「安眠」というのは、現代社会ではとても大切で贅沢な事だな・・・と思いました。いっその事、「安眠」というテーマで様々なサービスを同時に提供したら楽しいだろうな、と思いました。枕をはじめ様々な安眠のためのグッズもありますし、香りや音などのリラクゼーション、ベッドや照明などのインテリア、食事や運動、サプリメントや水などの健康管理も・・・・考えただけでもまだまだありそうです。

例えば、「安眠」のための枕。自分にぴったりの枕というのいはなかなか巡り会えないものです。自分の健康状態に合わせて、毎日枕の形が変化したら、いつもフィットすれば、それだけで快眠できます。マッサージ機でも携帯電話を通じてインターネットのサーバーにつながっていて、利用者の健康状態をチェックし、利用毎にその人にとってピッタリのツボを刺激する・・・日々の状態がICカードに記録されて健康バイオリズムが自分で確認できるとか・・・。

昔、学校で睡眠は90分の周期で繰り返されると習いました。バイオリズムの波形のように一回づつの山谷で90分です。この90分の倍数で眠れば熟睡できるのだそうです。90分は1時間30分。2時間だけ眠ると睡眠不足の状態になりますが、90分だけ眠ると、意外と頭はすっきりしているのです。とにかく、「眠り」は科学です。「安眠」というコンセプトは面白いかもしれません。