内海新聞 21号

ジンテックという奇妙な社名の由来:私が昔、飲食業をしていた当時の一番の悩みは「人」でした。優秀な人を採用するのは大変でした。私は考え方を変えました。誰でも何かに特化した能力を身につけてもらうことで、自信と夢を実現できる。そのための「人を大切に育てる教育思想」とそれを裏付ける「技術」が大切という意味からの「人」+「技術」がジンテックの社名の由来なのです。

転居者マーケティングと『容積満杯の法則』

いつも不思議に思うことがあります。それは、引越する毎に荷物が増えてゆく事です。

現在の仕事は『転居者マーケティング』といって、引越直後のご家庭の困った事を改善するための支援をしています。引越する方々は、全国に年間1000万人以上います。見ず知らずの土地に移動する訳ですから、不安で一杯です。

新しいその土地で生活するための、様々な情報が必要になる訳であり、その必要性は緊急を要しています。引越前には、不要なものは破棄して荷物を減らし、引越先で、不足の物を買い揃えるといった行動が普通です。私も、今の会社の創業時から数えると、9回引越しました。その都度、事務所は大きくなってきてはいます。一番最初の事務所は大きな事務所に間借りのような形でした。部屋の大きさは3坪くらい。その後、転々としながら、30坪くらいのワンフロアーの事務所になり、現在の200坪と広くなってきています。

しかし、一番最初の3坪の時も今の200坪も、なぜか荷物が一杯で部屋が狭いという事は共通です。確かに、人も増え、荷物も一杯になり狭くなってきたので引越したはずなのですが、引越して6ヶ月も経たないうちに、荷物は倍になります。事業の発展による人の増加は仕方ないにしても、荷物の増加はすごいものがあります。広い部屋に移れば移るほど荷物が増えて部屋が狭くなるというのは不思議なものです。

どうも人間というのは、部屋の大きさに合わせて家具や備品を集める習性があるのではないかという気がします。これは事務所や住宅だけではありません。私の場合「かばん」もそうです。持ち運ぶ荷物がどんどん増えて、それに合わせて、かばんを大きくしていたのですが、かばんが大きくなれば不思議に入れる荷物もどんどん増えていきます。そこで思いきってかばんを小さなものに変えたところ、荷物が一気に減りました。多分小さいところに引越すると荷物は減るはずです。しかし、住宅の場合、一旦、6畳に住んでしまうと4畳半には、よほどの事がない限り戻りたくありません。

私はこの現象に「容積満杯の法則」と名づけました。つまり消費を高めるためには、一戸当りの床面積を広くする方法が良いのではないかと考えています。昭和33年に池田勇人首相が唱えた「国民所得倍増計画」にならって『取得床面積倍増計画』というのはどうでしょう。これからは、同じ投資金額で、住宅も事務所も現在の2倍の床面積が取得できるようなシステムを考えるとおもしろいのではないでしょうか?税制や助成金や定地借地権や色々なものを駆使して実現できないものでしょうか?

大切なのは、値段を半分にする事ではなくて、手に入れる床面積が2倍になる様にする事です。多分、どんどん荷物を買い始め、これまで以上の消費活動になるように思うのですが・・・(甘いかもしれませんが・・・)。だから住宅金融公庫もどんどん赤字にして低金利でどんどん融資する。床面積が広くなればなるほど融資限度枠も拡大され、金利も大幅に下がり、助成金も付き、減税処置も講ずる。だから、住宅金融公庫は廃止より、有効活用したほうが良いような気もします。(素人発想ですみません。)多分、住宅金融公庫は累積赤字がどんどん膨らみ、そのツケは国民に回される事になると思います。

しかし、こういう政策のもとで、赤字を国民に回されるのはたまったものではありません。国民はどう考えるでしょうか?多分・・・「そんなにツケをまわされるのなら、住宅金融公庫を使って床面積が倍の家を購入したり、買い換えたりしたほうが得だ!」とは考えるかもしれません。赤字が増えれば増えるほど、住宅の需要が加速して行く。まさに「共損共栄のとんでもマーケティング」ですが・・・。そして、床面積が広くなった分、更に購買動機が高まり、消費拡大につながり、景気浮揚につながってゆく。

名づけて『取得床面積倍増計画』・・・夢物語の景気浮揚策でした。ちなみに引越だけでも、転居後に30万円近くの消費が発生し、その年間市場規模は3兆円に及ぶそうです。

優柔不断の文化

昨年、私の大切な友人から「雨の名前」という本を頂きました。写真集なのですが雨に関する言葉がたくさん書かれています。日本語の言葉の文化の奥の深さを感じずにはいられませんでした。以前、仏教の世界での時間の単位である「久遠(クオン)」という話をしました。一年に一回、風に吹かれて飛んでくる一枚の木の葉が岩にぶつかり、ほんの少しだけ岩が削れてゆく。それが繰り返されて、やがてその岩が跡形もなくなるまでの時間を「一久遠」といいます。気が遠くなるほどの時間の単位です。日本には、ゆったりと流れる時間があり、その上にさらに熟成された層の厚い文化があります。

「雨の名前」という本の中に、季節ごとの「雨」に関する言葉や表現が数多く紹介されています。狐雨・猫毛雨・流星雨・時雨・春雨・梅雨・桜雨・宿雨・・・・・。ひとつのことをじっくりじっくり追求し探求し、そして表現するすばらしい文化が、日本にはあるように思います。アメリカ型の「即効即決型の文化」に対しての「優柔不断の熟成の文化」といえるのでしょうか。やはりこれは歴史の重さです。そして、別の見方をすると拡大拡張の西洋の文化に対して、アジアの文化は収縮の文化であるように思います。自分の心の中に宇宙を見つけるというのか、じっくりとものごとを探求してゆく精神の世界です。ITビジネスもネットビジネスも、アジア的に日本的にじっくり100年くらいかけて、熟成させていくと、独自な普遍の仕組みが創れるようにも思います。100年1000年単位で流れてきた、日本の文化からみれば「失われた10年」と言っても、ほんの瞬きした程度の時間の経過にすぎません。こういう時代にこそ、ホンモノが誕生するのかもしれません。

遥か昔から流れる古き良き美しき流れの上に立つ、最先端の日本の技術がきっと生まれてくる事を信じています。

麻と蓬(よもぎ)

「性悪説」・・・荀子が説いたと教わりました。一方に「性悪説」という話がありますが、今回は「性悪説」のお話です。私はこれを読んで字のごとく、生まれながらに「悪」の心を持って生まれる人がいて、その心は生涯変わらないもの・・・と考えていました。「麻と蓬(よもぎ)」の話を聞くまでは・・・荀子は「性悪説」を唱えています。

「麻と蓬(よもぎ)」
蓬という草は放っておくと、グニャグニャ曲がって成長してゆくのだそうです。麻というのはまっすぐに素直に育ってゆくのだそうです。もし、この蓬を麻の中に入れて育てると、矯正されてまっすぐに育ってゆくのだそうです。「性悪説」というのは、黙っていても、生まれつき善ということではなくて、生まれた時は、何も基準がなく好き勝手に成長してゆくもので、もしも正しい心の持ち主の所に混ぜると影響を受けてまっすくに育つ・・・という事らしいです。「性悪説」とは心の素直な人が、正しい心をもった方々の環境の中に入れた時に、はじめて素直にまっすぐ成長してゆくという意味であるという事でした。驚きました。

手前味噌ですが・・・2001年納会報告

株式会社ジンテックは、昨年度は、お陰様をもちまして、売上対前年265%、新規受注延べ110社増という素晴らしい成績を収めることができました。これもひとえに、ご支援いただけるクライアントの皆様あっての結果であり、顧客データクリーニング事業者の先駆者として、これからへの責任の重さを感じずにはいられません。今後とも益々のご指導ご鞭撻の程をお願い申し上げます。

さて、ジンテックの納会は、熱海研修所において12月22日~23日の一泊二日で行われました。毎年、納会は趣向を凝らして開催されますが、今年度は久しぶりに社員全員に(昔取った杵柄?!)で中華料理フルコースを私の手作りでご馳走する事になりました。そのために前日から、材料の買出しや仕込みに奔走し、22日の全体報告会議も仕込みのために欠席という不謹慎さではありましたが、その甲斐あって(?)全18品中、16品を約40名の皆さんにお出しすることが出来ました。2品は時間切れのために作れませんでした。午後5時30分にスタートし、終了したのは午後9時30分。4時間も延々と食べ続けました。感謝の極みです。

私は21歳から30歳までの10年間は中華料理店のコックをしていましたが、基礎を勉強したわけではないので、そんなにたいした料理はできません。メニューにあるものだけを、徹底して集中的に研究しました。すでに当時から「選択と集中」でした。ですので、今でもかつてのメニューにあったものしか作ることができません。料理を作っている間は、味が判らなくなるので、味見以外は何も口にする事はできません。ですので、コースが終わった時には、15ラウンド戦い抜いたプロボクサーのようにへとへとです。しかし、皆の「すごく美味しかったです!」の一言で再び元気が出てくる、私にとっては不思議でかつ大切な「もてなし」の時間でもあります。今期、一所懸命がんばったジンテックの皆さんへの感謝のおもてなしです。達成と満足の思いが熱海の夜に深く流れてゆきました。
Thank you!