内海新聞 12号

編集長より:「なぜこの新聞が送られてくるのだろう?!」と不思議に思われた方も多いと思います。お仕事の関係で以前名刺交換させていただいた方、まだ面識はないけれど弊社の誰かと名刺交換をさせていただいた方を中心に一方的に送らせて頂いております。もしもご迷惑な場合はどうそ送付停止とご連絡いただけますでしょうか?宜しくお願い致します。

バッタの大移動

以前、蝉の大発生のお話しをしたかと思います。1998年アメリカは蝉だらけの年だったようです。2種類の蝉が同じ年に孵化したのが原因でした。

もう一方で大発生をする昆虫がいます。バッタです。イナゴと言ったほうが良いかもしれません。こちらは、作物を食い尽くすので蝉の発生どころではありません。何億匹という数のバッタが何キロも空を飛んで移動します。しかし、バッタというのはそんなに長い距離を飛べる昆虫ではありません。せいぜい数メートルを飛ぶ程度です。そんなに長い羽根を持っていないからです。

ところが、3世代ぐらいかけて、突然羽根の長いバッタがごく僅か生まれます。その土地の餌が少なくなってくると、これを察知して移動しようとする本能が目覚め、勇気のある戦闘的なバッタが生まれます。このバッタは茶色い通常の2倍以上の長い羽根をもっています。バッタの中のバッタ。選ばれたエリート達です。彼らが生まれると不思議に後に続けと、同じようなバッタがどんどん誕生してゆきます。

その数、数億。一斉に大移動を始めます。もちろん餌の豊富な大地を目差して皆同じ方向に進みます。彼等が移動した後は作物が食い荒らされ何も残らないほどです。そして豊かな安住の地をみつけるとそこに定着し、不思議に彼らの長い羽根は短くなり、またもとの小市民バッタに変わるのです。何かのきっかけで、誰かが先陣を切って走り出し、もちろん彼らは英雄であり頭の良い集団であります。そのあとに続けと皆が同じ方向に一斉に走り出す。

この時のエネルギーは相当なものです。そして食い尽くしてまた移動する。大自然の猛威です。以前アメリカ映画で「インディペンデンスデイ」という地球が宇宙人に侵略されるという映画がありました。あの設定は大量発生した宇宙人がてあたりしだいに惑星を侵略し、そこを食い尽くしたらまた別の惑星に移動して侵略するというまさにイナゴのような映画だったことを思い出しました。

でも人間の歴史でも同様の事が繰り返されているような気もします。特に何かのきっかけとなる自然現象が原因であったり、人物の登場が原因であったり・・・最初は本当に些細なことなんでしょうが、オーガナイザーとなって伝播してゆく。

百匹目の猿という話を聞きました。昔、九州の幸島というところの猿山にサツマイモを海水で洗って食べる子猿が誕生します。親猿はバカにして見ているだけです。しばらくして、別の子猿が真似をし始めました。その子猿の数が少しずつ増えて、遂に100匹を越えたころ、そこから何10キロも離れた別の猿山でサツマイモを洗って食べる猿が突然出現し、同じことが全国にひろがりはじめました。誰が教えた訳でもない。突然起こりました。科学的な理由は不明ですが、意識というのは質量があるのではないか?意識があるボリュームを越えた時、横に伝播して他へ大きな影響を与えはじめる。人間社会の流行もそういうこともあるのかもしれません。意識のボリュームを高めるという事は大切なことのようです。

獣医師

私は28歳のときに苦労して4LDKの自宅を購入しました。
たまたま私の店の近くに新しくマンションが建ったのです。そんなにたくさんの給料をもらっていた訳ではないのですが日の出前から深夜まで働いていましたので、お金を使う時間などありませんでしたから、もらった給料のほとんどをローンの返済に当てられました。家を買うときに言った父の言葉が印象的でした。父は獣医師・・・つまり犬猫の医者です。

「昔から、鳥は卵を生む前に巣づくりをはじめるものだ。野生の動物でも皆そうだ!だからひとりモノのお前が今の間に自宅を購入しようとする考え方は正しい。自然の法則にあっている。家を買うのに若すぎる事はない。マイホームが人生の目的のような今のシステムこそおかしい!」

・・・・さすが、犬猫の医者らしい意見!妙に感心した事を覚えています。この父は、昔から変人で、しかも大の酒好き。酒を飲んで車を運転して帰ってきます。昔、泥酔状態で検問につかまり、警察で「先生、ほうら、まともに歩けない位、酔ってらっしゃる。困りますよ」とおまわりさんに言われた時、「歩けないから、車を運転して帰るんだ。バカ」と言ってしまって、警察にご厄介になったのを、情けなく今思い出しました。私と母がいつも引き取りにいったものです。この父いまだ健在です!

ジンテックマーケティング理論(1)
【スパイラルマーケティング】

私のマーケティングルールの一つに「今年20才の人は来年必ず21才になる」という公式があります。これは世界で不変のルールです。ここから発展した考え方が「スパイラルマーケティング」という考え方です。年齢でみた場合渦巻き状に各世代がつながっているというものです。右の図の通りです。

それぞれの年齢差は決して縮まることはありません。日本がかつて体験した大きな節目・・・それは戦争だったように思います。以前、映画「シンドラーのリスト」で、シンドラー氏が妻に語るシーンがあります。「私はこれまで、全くついてなかった。でもこれからは違う!成功するためにもっとも大切なものは何だと思う?」と妻に聞く。妻は「Luck?(運?)」と答える。シンドラー氏は、一呼吸おいて「・・・・W a r(戦争)・・・・・」と答える。

戦争という歴史を見たとき、なんでも焼き尽くすのですから、経済活動でみれば在庫調整です。その後は再び需要が高まります。人間もそうでした。たくさんの人々が亡くなりました。そして、今度は増加に転じる。デフレのあとは超インフレ・・・・・1947年~1950年にベビーブームがありました。団塊の世代の出現です。この団塊の世代が日本に1000万人以上います。彼らは現在50才~53才です。この世代は子供を平均2人~3人を育て、その子供達はというと大学にゆく、そろそろ卒業してゆく年齢です。この子供達を団塊ジュニア層といいます。右の図の親と子供の部分のスパイラルにあたります。大学に通学するには授業料やその他で年間平均150万円必要といわれます。これが2人いるとしたら年間にかかる費用が300万円以上。この頃はまだ住宅ローンを年間200万円以上も支払っています。

このお父さんの年収が1000万円あったとして、子供に▲300万円、住宅ローンに▲200万円で残りは500万円しかありません。ほとんど赤字状態の世帯が数多く存在するのが現在の日本といえます。この状況に10年近く前から突入しています。ここにバブル後の不況とリストラが重なっています。このような状態では売れるものも売れません。お金がないのです。お母さんも家計を助けるためにパートタイマーにでます。だから今、この層は全く動けないということになります。

ほんの少し未来に目を向けて見ると、あと2年以内にこの子供達である団塊ジュニア層のほとんどが大学を卒業します。そうすると、お父さんはある日突然、教育費としてかかっていた300万円以上のお金が不用になります。可処分所得の急激な増加です。これまで、団塊の世代は子供が生まれた時からずっと緊縮財政が続いていました。子供が就職した瞬間から教育費から初めて開放され両親にお金の余裕が出始めます。子供を大学に行かせている、こんなお父さんが全国に200万人。300万円×200万人=6兆円の可処分所得の増加です。団塊のジュニア層は約1000万人存在します。このうち大学進学者数は40%で400万人います。

やがて団塊ジュニアの子供達は就職して給料をもらいます。この年収が約200万円以上です。200万円×400万人=8兆円。彼らはまだ独身で、収入のすべてを自分のために使うことができる層でもあります。さらに、高校を卒業して収入を得る層も500万人規模で存在します。彼らは、年収180万円以上の収入を得ます。
180万円×500万人=9兆円。

この合計は23兆円団塊ジュニアが全員大学を卒業し就職する頃から、日本経済の分岐が訪れる事になります。そろそろ今年あたりから団塊ジュニアの2人目~3人目が大学を卒業する時期に入っています。日本の国家予算が80兆円。この30%に相当します。もうそろそろ景気も反転するのではないかなぁ・・・と考えるのはあまりにも楽観的でしょうか?

トラブルシューター制度

ジンテックには、トラブルシューター制度というのがあります。社内でトラブルやクレームを発生させたら報奨金がでる(?)という制度です。とかくトラブル情報やクレーム情報というのは闇から闇に葬られていき、履歴として残らない事が多いのです。

なんとかこれを表面に浮きぼりにし、ノウハウとして蓄積するためにこの制度を考えました。トラブルやクレームはこうして欲しいという願望の裏返しであるという理論に基づいています。この考え方が社員一人一人に理解していただけるように、このようなゲーム感覚のものにしました。トラブル・クレームはパソコン上につくったフォルダーのい中に書き込んで報告するようになっています。いつ?・どこで?・どのようなトラブルがあって?・その原因は?・どう対処したか?を書き込んでいく義務がありますが、すべてノウハウとして共有化されています。

いわれてみれば、ジンテックであつかう商品はすべて、何らかのトラブルやクレームの中から生まれてきたものです。私がかつて、ラーメン屋時代につくった「お詫び券」の発想がいまだに生き続けています。