新・内海新聞107号

【関西よもやま話】

まず京都人大阪人神戸人の違いを述べる。
ちなみに、こういう場合、奈良人はいつもカヤの外である。まず、京都人と神戸人は仲が良いが、大阪人を毛嫌いする人が多い。
神戸人はそこまでではないが大阪人と一緒にされたくないと思っている。
だから神戸人は遊びに行くなら大阪を通り越して京都に行く。
吉本の漫才コンビでも大阪人と京都人のコンビはいないらしい。
神戸人はこだわりがなくオープンマインド。
誰とでも仲良くなれる特技がある。神戸は北が六甲山系、南が瀬戸内海で南北はなく、東西に広がる細長い土地である。
坂本龍馬の海軍操練所以降、軍港として発展し、外国人が多く住み着いた。
今でも外国人居留区という地名が残る。
東西に細長いため学校もその細長いに東西に点在していることから交流も多く学校を超えて友達が多い。
兄妹がいてもその誰かはどこかで学校が一緒で友人同士という場合も多く、友達の友達はみな友達みたいな繋がりができる。
金髪で青い目でランドセルを背負って日本人と同じ学校に通う子供たちも多い。
南京町という中国人街もあり当然中国人も多い。
そんな環境の故、外国人に対して免疫ができている。
勢いそれは誰とでもオープンマインドとなる。

京都人は一般的にイケズ(意地悪)である。
いや、イケズに感じる。京都人は付き合いが難しいと言われるが、それには理由がある。
京都人にはこれ以上入ってこられては困るという、ある距離感がある。
それより外にいると愛想がいいが、それを破ってズカズカ入るとイケズをされる。冷たく感じるのはその為である。
大阪人は厚かましいので毛嫌いされる。
京都では人の家に行って、話し込んでなかなか帰らない時、「ぶぶづけでもどうだす?」と言われるというが、これは都市伝説である。
そんな話は聞いたことがない。ぶぶづけとはお茶漬けのこと。
お茶漬けでも食べていかれますか?となる。
当時は冷やご飯に白湯をかけて食べる粗末な食事。嬉しいものではない。
つまり、「早く帰らんかい」という意味になる。
そんな京都人の性格を揶揄して生まれた作り話。
また一見さんお断りというのも、これに通ずる。
あの方の紹介ならきっちりマナーを守ってくれるだろうという保証書のようなもの。
四条に大きな鰻屋があるが、オーナーが大阪人の金貸しのため京都人は誰も行かなかった。
行くのは京都見物に来た大阪人ばかり。
二代目が舞妓さんを嫁にもらってから少し認められたという話を聞いたことがある。
京都がこんなに排他的かというとそうでもない。
かつて幕末の時、長州、薩摩など田舎侍の尊皇攘夷派を受け入れたのも京都人の一面である。
よそ者でも認めたものは応援してくれる。伝統を重んずる京都にあって京都発のベンチャー企業も多い。
最も有名なのは京セラである。創業者の稲盛さんは薩摩である。
他にも日本電産、ワコールなどもある。
ノーベル賞も京都大学が最多である。
投機投資の才があるのかも知れない。
牛肉の消費量は京都が日本一なのである。すき焼き大好き。意外である。
密かに新しものが好きなのである。

大阪人は、関ヶ原の合戦以来、江戸を嫌う人が多い。
プロ野球の阪神巨人戦など良い例だ。
とにかく巨人には負けたくない。
難波で東京弁など喋ってると「何いきってんねん!」と難癖を付けられることがある。
東京の友人が旅で大阪のお好み焼き屋に入り、東京弁で注文したら、店内の客全員が振り向き睨まれたという話を聞いた。恐ろしい話である。
大阪人は粉もんが大好き。お好み焼き、たこ焼き、イカ焼き、ちょぼ焼き、キャベツ焼きなどなど。うどんもある。
大阪ではこれがオカズである。これらと白飯をいただく。
有名なお好み定食である。大阪では当たり前だが、関東ではゲテモノに見られる。
東京人はサンドイッチをオカズにご飯を食べるようなものだと揶揄する。
するとラーメンライスはどうなんやと、大阪人は切り返す。
兎に角、東京人の難癖が気に入らないだけなのである。

神戸と大阪の違いは武庫川で別れる。
武庫川の東側は大阪弁圏内。
西側は神戸弁圏内となる。お好み焼きも変わる。
武庫川の東は花かつおを使い、西側は粉がつおを使う。関西では文章を口語体で書く。
いや、私の生まれた地域だけかも知れないが、特に手紙などは口語体で書く。
東京では手紙は標準語で書くと聞いて驚いたことがある。
そうであれば、神戸弁を標準語に翻訳してから書かなければならない。
凄く悩んだ記憶がある。
「今日は大雨で学校に行くのに傘が役に立たず濡れてしまった。」というのを口語体で書くと
「きょうな、大雨でな、学校に行ったんやけど傘が効けへんねん。ベチャベチャやで。」となる。

奈良は、いつも疎外感である。
かつてJR西日本が三都物語というキャンペーンをしたが、この時も京都、大阪、神戸である。奈良は入ってない。
私などは、京都は人が多く息苦しいので奈良に行ったりする。
人も少なく歩くのが楽である。しかし、交通の便が悪い。近鉄しかない。
あとはバスかタクシーか歩きである。ただ、田園風景が広がり、ビルも少なく広々として気持ちが良い。
問題は食事である。奈良人には味覚はないのか?と思いたくなる。
美味い店とかあまり聞いたことがない。そもそも店がない。チェーン店ばかり。
奈良人は食事に拘らない。さらにホテルも極端に少ない。
お土産もない。平城京のとき、絶えず大地震や疫病の発生で苦労した。
平城京には大きな河がなく、衛生状態が悪く疫病が多く発生したと言われる。
これらを鎮めるために聖武天皇により大仏様を建造。聞くところによるとその建造に260万人位の労働者を要したと言われている。
日本の人口が600万人強の時代に……。生活が苦しく、国抜けをして逃亡した人々も多かった。
都も平城京から長岡京やいろいろなところに点々と移動し、落ち着いて暮らすどころではなかったのではないか。
生きるために食べ物に贅沢は言わなくなったのではないか?というのは私の持論。諸説あり。
私などは奈良で食事をした記憶がない。
京都か大阪に移動して食事している。

大阪人の女性は派手である。
原色が好きである。化粧をみれば関西のどこ出身かが分かるというのは、難波シティーのブティックの店長。
化粧と服装で、住んでいる沿線が分かるという。
沿線とは電鉄会社のこと。
①阪急②阪神③近鉄④南海⑤京阪だ。来店する女性客の最寄り沿線を当てるゲームをしたことがあるが全て当てたのには驚いた。
神戸人は阪急、阪神、JRしかない。
西の端の方に山陽電鉄があるがこれは除外。
やはり、阪急沿線は高級である。阪神は駅が多すぎ、電車も斜めっている。
JRは殆ど使わない。わかりやすい。
ちなみに余談ではあるが、関西人ではないが名古屋人もよく比較対象になる。
こんなたとえ話がある。東京人、大阪人、名古屋人の三人がタクシーに乗ろうとした時のこと。
東京人は見栄を張り、タクシー代を全て自分で払うために先に乗って後部座席の奥に座ろうとする。
大阪人は自分は払いたくないので、なるべく後に乗ってすぐ飛び降りれるように乗ることを考えている。
名古屋人は東京人と大阪人のどちらかに払わせようかと中間にいて思案している…という話。
とかく名古屋人は「きしめん」と同じで正面から見たらうどんで横から見たら蕎麦というどちらについても大丈夫というように世渡り上手である。

話を戻そう。大阪人は金には細かい。どこでも値切る。
百貨店でも値切る。大声で値切る。とにかくやかましい。
しかも、人の話に割り込みたがる。何か新しいものを持っていたりすると、必ずおばちゃんの質問攻めにあう。
しかも全員の質問は同じである。「ナンボで買うたん?」である。
金額重視である。
しかも、どれだけ値切ったかはさらに重要である。
次の質問は「どこで買うたん?」である。
自分が知っている店かどうかが重要である。
この二つの答えをあらかじめ用意しておくとコミュニケーションはスムーズである。
1時間は持つ。

また、関西人は電車のホームで並ばない人が多い。
ドアが開いたら一斉に乗り込んで来る。
しかも席の争奪が始まる。特に大阪のおばちゃんである。
あれはなんとかしてほしい。
その点、中国人は大阪は住みやすいかもしれない。
大阪のおばちゃんといえば、有名なのはヒョウ柄の服装である。
あれは本当である。
私の母も持っている。胸の辺りにヒョウが正面向いて睨んでいる。
背中を見るとヒョウの後頭部のデザインである。しかも黒地である。
全身ヒョウ柄の人もいる。
理由はわからないが好きである。光り物は必ず身につけている。
派手である。飴ちゃんも持っている。一方神戸はおしゃれである。
服装のセンスは関西一である。流行の先端をいってる。
とびきり美人も多い。これは外国との交流の歴史が長く、西洋人の血が混ざっていった結果と想像される。
同様に青森や新潟、秋田、長崎も外国との交流が長く美人の産地であるのは同様の理由と思われる。
ちなみにこの中で一番美人の多かったのは長崎である。
こここには昔から8カ国の人々が共存していたと言われる。

さて、神戸のお好み焼きは大阪とは違う。前述のとおり基本は粉カツオである。
また、チーズ入りとか、キウイソースとか意外な素材を使うお店も多い。
ハイカラなのである。前述の通り、大阪人がお好み定食といってお好み焼きとご飯と味噌汁を食すのを神戸人は軽蔑している。
お好み焼きはお好み焼きとして食べたいのである。
炭水化物をおかずに炭水化物を食べるのは邪道と言いたい。
しかしである。焼きそばにご飯を混ぜて一緒に鉄板で焼いてソース味にした「そばめし」を発明したのは神戸人である。
ここを刺されると返答に窮する。
ただ、おしゃれに食べたいのである。京都人は肉好きである。
関西で肉とは牛肉のことである。豚は肉とは言わない。豚肉である。
京都にはすき焼き店が多い。
肉といえばすき焼きである。万願寺唐辛子やトマトを入れて作る。
割りしたは使わない。卵も使わない。絶品である。

じゃんけんも関西は違う。各地域別に調査はまだしていないが確かに違う。
口が裂けても「じゃんけんポン」などとは言わない。
子供の頃は「じゃいけん、ほい」とか言ってたが、もう一派あって、「いんじゃん、ほし」である。
私のは後者である。

さて関西弁であるが地域によって微妙に違う。
地元人はすぐ聞き分けられるが、東京人には無理だろう。
京都弁で言うは「言わはる」大阪弁は「言いはる」五段活用の否定では、京都弁は「言わへん、書かへん」。
大阪弁では「言えへん、書けへん」五段活用の不可能では、京都弁は「言えへん、書けへん」。
大阪弁では「言われへん、書かれへん」となる。アクセントも違う。
例えば動物。京都弁では「どうぶつ⤴︎」。大阪弁は「どう⤴︎ぶつ⤵︎」
東京は京都弁では「とうきょう⤴︎」。大阪弁では「とうきょう」とフラットである。
神戸弁は似ているようで微妙に違う。
例えば有名なのが「来ない」の表現。
京都弁:きーひん、大阪弁:けーへん、神戸弁:こーへん。
特に神戸弁は京都弁大阪弁とは違ってくる。
最大の違いは「とう」である。
「〜してる」は「〜しとう」である。
起きてる?→起きとう?遊んでる?→遊んどう?細かい→こまい

大阪と神戸のエスカレーターは右に立つ。
東京人と大阪人が混じり合う新大阪駅のエスカレーターはこれで揉める。
このように微妙に違い、圏外者がそれを真似て話しても、絶対に聞き分けてしまうので、気持ち悪いという表現で指摘する。
外国語なども同様なのだろう。いくら勉強してもネイティブにはなれない。そこに生まれ育たないと無理なのである。

〔今回の文面には多少個人的偏見があることをご容赦〕

新・内海新聞106号

【少子高齢化は千載一遇の大チャンス】

少子高齢化問題が言われ始めて久しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

(国税庁ホームページより)

 

人口分布は逆三角形の形になり人口減少に向かい、更に高齢者の分布の拡大により若者世代の負担が増大する。この現象は世界最先端にあり、全世界は日本の対応を真剣に見つめている。
若者世代は、大きな労働力であり賃金もそれほど高くなく日本にとって重要な世代です。しかし、人を労働力として見る時代は既に終わりつつある。
先日、野村総合研究所が発表した興味深いレポートがある。
「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」というものです。
株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役会長兼社長:嶋本 正、以下「NRI」)は、英オックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授およびカール・ベネディクト・フレイ博士との共同研究により、国内601種類の職業について、それぞれ人工知能やロボット等で代替される確率を試算しました。この結果、10~20年後に、日本の労働人口の約49%が就いている職業において、それらに代替することが可能との推計結果が得られています。
この共同研究は、NRI未来創発センターが「“2030年”から日本を考える、“今”から2030年の日本に備える。」をテーマに行っている研究活動のひとつです。人口減少に伴い、労働力の減少が予測される日本において、人工知能やロボット等を活用して労働力を補完した場合の社会的影響に関する研究をしています。
芸術、歴史学・考古学、哲学・神学など抽象的な概念を整理・創出するための知識が要求される職業、他者との協調や、他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業は、人工知能等での代替は難しい傾向があります。一方、必ずしも特別の知識・スキルが求められない職業に加え、データの分析や秩序的・体系的操作が求められる職業については、人工知能等で代替できる可能性が高い傾向が確認できました。
・・と述べています。

これまで中国や東南アジアなど、安くて若い労働力を武器に世界の工場として成長してきましたが、今後この様な人工知能やロボット化が進むと、これら安い労働力がロボットに取って代わられ、一気に負債に代わる危険性を持っています。しかし、日本には人口減少によって絶対的な若手労働力の不足。経験豊富なシニア層の増大という絶妙の環境が整いつつあります。また、日本には蓄積された基礎技術力や生産拠点、また機能を極限まで極めてゆくという伝統的な探究心があります。そして最大のポイントは、昔から日本人の心の中にいつもロボットがいました。日本人のロボット好きは世界でも類を見ないと私は思っています。ロボットに対する親近感は受け入れる土俵が出来ていると言えます。やはり、それはかの手塚治虫氏による鉄腕アトムの存在だと思います。これを発端として鉄人28号、マジンガーZ、ドラえもん、新世紀エバンゲリオンなどなど漫画の世界でロボットは大活躍し、子供たちの心の中に生きています。
この歴史的なインフラは、更にAI化ロボット化を加速すると思われます。


野村総合研究所ではこうも伝えています。
====
労働力不足を見据えて、外国人労働者や移民の受け入れ策が議論されていますが、われわれは、労働力が不足すればテクノロジーに頼らざるを得なくなる、それはイノベーションのチャンスになると考えています。労働力不足だからこそ、テクノロジーを受け入れる余地が出てくるのです。テクノロジーの進化と労働力不足という大きな変化から目をそらさずに議論を深めていけば、日本企業にも日本全体にとっても、新たなサービス創出や、組織や業務のあり方、働き方を改善していくチャンスになるはずです。そのように、前向きに未来をとらえていきたいと考えています。
====
これまで社会的問題とされてきた少子高齢化は、ここにきて日本の高度成長の起爆剤となる可能性がでてきたとも言えます。

 

ちなみに・・・
「人工知能やロボット等による代替可能性が高い100種の職業」
IC生産オペレーター、一般事務員、鋳物工、医療事務員、受付係、AV・通信機器組立・修理工、駅務員、NC研削盤工、NC旋盤工、会計監査係員、加工紙製造工、貸付係事務員、学校事務員、カメラ組立工、機械木工、
寄宿舎・寮・マンション管理人、CADオペレーター、給食調理人、教育・研修事務員、行政事務員(国)、行政事務員(県市町村)、銀行窓口係、金属加工・金属製品検査工、金属研磨工、金属材料製造検査工、金属熱処理工、金属プレス工、クリーニング取次店員、計器組立工、警備員、経理事務員、検収・検品係員、検針員、建設作業員、ゴム製品成形工(タイヤ成形を除く)、こん包工、サッシ工、産業廃棄物収集運搬作業員、紙器製造工、自動車組立工、自動車塗装工、出荷・発送係員、じんかい収集作業員、人事係事務員、新聞配達員、診療情報管理士、水産ねり製品製造工、スーパー店員、生産現場事務員、製パン工、製粉工、製本作業員、清涼飲料ルートセールス員、石油精製オペレーター、セメント生産オペレーター、繊維製品検査工、倉庫作業員、惣菜製造工、測量士、宝くじ販売人、タクシー運転者、宅配便配達員、鍛造工、駐車場管理人、通関士、通信販売受付事務員、積卸作業員、データ入力係、電気通信技術者、電算写植オペレーター、電子計算機保守員(IT保守員)、電子部品製造工、電車運転士、道路パトロール隊員、日用品修理ショップ店員、バイク便配達員、発電員、非破壊検査員、ビル施設管理技術者、ビル清掃員、物品購買事務員、プラスチック製品成形工、プロセス製版オペレーター、ボイラーオペレーター、貿易事務員、包装作業員、保管・管理係員、保険事務員、ホテル客室係、マシニングセンター・オペレーター、ミシン縫製工、めっき工、めん類製造工、郵便外務員、郵便事務員、有料道路料金収受員、レジ係、列車清掃員、レンタカー営業所員、路線バス運転者

新・内海新聞105号

【新ペット産業】

最近、ペットフード業界に転職した友人と話す機会を得た。ペット産業の伸びしろの広さに驚いた。
犬は、08年1090万匹、14年1035万匹と▲15%
ペットフードは、08年705200t、14年596870t▲15%
と、共に減少気味。
しかし、その市場規模は拡大を続けている。全てがプレミアム化していると言えます。
我が家でも私がユニクロのバーゲンの900円のTシャツを着ているというのに、目の前のトイプードルは6000円の犬用のTシャツを着て、お腹を出して爆睡している。
ペット市場は、日本人の少子高齢化に影響しているというのが私の持論。


神奈川県の秦野というところの山の上にK植物園がある。その中に、コンテナを利用したカフェがある。どこにでもあるカフェなのですが、ペット同伴OKというお店です。
お店のメニューも左ページが人用、右ページが犬用となっていて、どちらも区別がつかないほど、美味しそうである。店の床にはペットの綱を留めるフックがあり、何匹もの犬たちが楽しんでいる。庭には大きな敷地を囲ったドッグランがある。飼い主たちは、そのドッグランで愛犬を遊ばし、それを優しく見守っている。
やがて、飼い主同士は仲良くなり、家族ぐるみの付き合いが始まる。
このカフェには一つのアイデアがある。
毎週末に開催される犬種ミーティングです。
犬種ミーティングとは、毎週末決まった犬種だけが集まるイベントです。
今日はコーギーちゃん集まれ!の日、来週はチワワちゃん集まれ!の日、また、その翌週は、ゴールデンリトリバーちゃん集まれ!…という具合に同じ犬種たちが集まる日を決めている。
お店の中も、ドッグランも同じ犬種でいっぱい。
お客たちは、この犬種ミーティングを楽しみにしている。
私の父は開業獣医師であった関係から、動物たちに囲まれて育ちました。飼い主の心理もなんとなく分かります。
お年頃の犬の飼い主の大きな関心は、お嫁さん旦那さん探しです。
どうせ結婚させるなら身元の知れた、しっかりしたお家のワンちゃんと!というのが本音。
この、犬種ミーティングは、そのための飼い主の観察のために開催されている。
犬といえども親戚になるようなものなので、しっかりとした家柄のワンちゃんと、というのが本音となる。
このカフェから、浜の方に降りてくると、ご主人が経営するとフレンチのお店がある。ここもペット同伴OK。カフェで仲良くなった家族たちが、ここに流れてくるのです。
そして、一つ気づくことがあります。その飼い主の年齢です。もうリタイアしたような年齢の夫婦連れが多いのです。
子供も独立し、ぽっかり穴の開いたような寂しさを埋めるために、ペットを飼い始める。犬の寿命は20年もない。自分たちの年齢と比べても丁度良いのです。我が家でも犬がいることで救われた事が多いです。その癒し効果は抜群と言えます。反面、犬がいることで家を空けられない。散歩、食事など世話がかかる。旅行などとんでもないです。ペットホテルもありますがなんとなく可哀想で預けられない。
そういうニーズを反映してか、ペット同伴OKという旅館が増えています。ペット同伴OKのお部屋がないと集客できないとまで言われています。
我が家でも、伊豆下田のペット同伴OKのお部屋を予約して旅行したことがあります。
旅館も特別の対応を考えています。中には犬が嫌いな泊まり客もいる可能性があるので、入り口は別。そして、部屋も離れになっていて、鳴き声も母屋に届きにくい。綱を留めるフックもある。犬の食事用のボールやマット、ゲージも頼めば貸してくれるし、おしっこシートも用意してくれる。もう至れり尽くせりです。
そうなると、伊豆に行けば、必ずこの旅館に!ということになります。
旅行だけではありません。衣料、ペットフード、住宅、健康管理などなど、どんどんその市場は広がっています。
ここに面白いビジネスがあります。カレンダー業界です。ペットのカレンダーを制作販売している会社があります。そのペットのカレンダーは、「犬の日めくりカレンダー」「猫の日めくりカレンダー」。
毎日違う犬猫の写真が掲載されています。それが365日分の365匹の写真の掲載です。犬の日めくりカレンダーは犬だけ、猫の日めくりカレンダーは猫だけのカレンダーです。世の中には犬派と猫派がいるためです。
しかもこれらの写真は、ペットオーナーからの応募によるものです。毎年募集されるのですが、その応募数は数万件以上です。
カレンダーの最後には、カレンダーに掲載されたペットの掲載日と名前と居住都道府県が印刷されています。
このカレンダー製作会社には、これらペットオーナーの個人情報が大量に集まることになります。飼い主は自分の愛犬が掲載されているとしると大量に購入し、ご近所や親戚に配ります。このカレンダー会社は、様々なペット業界の企業と契約をしています。ペットフードの試供品などが送られてきます。
ペットフードと言えば面白いお店があります。
東京都港区の外苑前というおしゃれな街のペットフードショップです。
「プサコキッチン」と言います。(東京都渋谷区神宮前3丁目38-17 イケガミ青山ANNEXビル 1F)
ここは普通のペットフードのお店とは違います。いうなればデリカテッセンです。店内にはキッチンがあり、コック服を着たシェフがいろんな美味しそうなペットフードを調理しています。そして出来上がりが店内に並べられ量り売りされます。通りすがりに発見してもおそらくペットフードのお店とは思わないでしょう。
ペットは家族ですのでそのペットたちに投資されるお金はどんどん上昇しています。
この流れは、人間の少子高齢化と同じ流れです。
ペット産業は、いま新しいステージに上がったかも知れません。
よく考えてみると、人に対するマーケティングとほとんど同じということに気づきます。

新・内海新聞104号

フラスコ産業を探せ

【閉塞感の突破法】
営業活動に於いて閉塞感はつきものです。それを分析し手掛かりを掴むのがマーケティングです。マーケティングとは、売り手が買い手に如何に近づくかということです。如何に相手の気持ちや不便を汲み取り、その問題解決をする事と言えます。反面、買い手の気持ちに近づきすぎると、コスト高になり儲からない偏ったものになってしまうというリスクも潜みます。
以前、ブルーオーシャンとかレッドオーシャンとかいう言葉が流行りました。競合が不在で穏やかな状態をブルーオーシャンと呼びます。競合だらけで日夜身を削るような熾烈な戦いを繰り広げる状態のレッドオーシャン。まさに血の海です。誰でもブルーオーシャンを求めますが、そんなところは、そう簡単には見つかりません。多くの市場は既に着手され、新規市場というものはそう簡単に見つからないものです。
「フラスコ産業をさがせ。」という言葉があります。マーケティングでは良く使われる言葉です。この内海新聞でも何度か登場しました。
フラスコとは理科の実験などで使用するガラス製の容器です。フラスコを使用するところは学校や研究所という事になります。しかも、毎年定期的に購入するようなものではなく、破損したりして足りなくなったら購入するというのものです。ちなみに、フラスコ専業メーカーは水戸市にある有限会社タツミ理化という会社です。新たに競合が参入しても赤字になってしまうので、どこも参入してきません。しかも、確実に需要はある。売上はそんなに大きくなくても、市場は無くならない。
つまり、小さくても一番の独占企業なのです。かつてはレッドオーシャンだったものが、儲からないので競合がどんどん撤退し、結果的に一社が独占してしまった、ブルーオーシャンにしてしまった・・・ということになります。残り物には福がある、の様なものです。マーケティングに於いて一番の理想は、その市場を独占してしまうことです。結果的に100%のシェアを持ってしまったと言うことになります。この「小さくても一番」という考え方は重要です。
よく使うたとえですが、ある人が、お花屋さんを開店したいと思ったとします。しかし、街には多くのお花屋さんが既に営業し、顧客もついています。後発でお花屋さんをオープンしても苦戦するのは目に見えています。お客様がこのお店に行こうと思わない限り厳しい経営が待ち構えています。ここで、小さくても一番という考え方で戦略を切り替えたとします。
たとえば、お花屋さんでも赤い花しか扱わないとしたら、店の前を行く人々は「赤いお花屋さん」と呼ぶと思います。そしてさらに赤いバラの花しか扱わないとしたら「赤いバラのお花屋さん」となります。さらにお花は一本では売りません。百本単位の花束でしか売らないとしたら、今度は「赤いバラの花束屋さん」と人々は呼び始めるでしょう。さらに、お店ではお花は売りません。ただ見せるだけです。購入は全てインターネットでの通信販売です。依頼主になり変って、ご指定の住所名でお贈りします。メッセージを添えて。
こうなると、もうただのお花屋さんではありません。親しい人の記念日に贈る、素敵なプレゼント屋さんです。「花の記念日便」といったような、これまでの思考の軸とは変わってきます。
人とは自分の頭の中にある記憶のかけらを軸に物事を比較します。それに比べて良いか悪いか、高いか安いか、美味しいかまずいか・・・などなど物事を直視して判断することはなかなか難しいものです。であればそれを逆用し、わざとその思考に軸を変えてしまうことも方法です。前例でも、最初は街のお花屋さんでしたが、赤いバラの専門店になり、最後は贈答品店に変化しています。しかも市場は全国規模です。ここまで来るとセグメントされた市場は小さくても他になければ一番です。
小田原市東町に回転寿司店があります。ここも小さくても一番を実践して大成功を収めています。以前は町はずれにある普通の回転寿司でした。ところがある日突然、大きく方向転換します。寿司が嫌いな人でも食べに来られる回転寿司にする。生魚が嫌いな人でも来てくれる寿司店にする・・・です。駅から遠く歩いて行くのは大変で、皆車でやってきます。でも、お酒のメニューは半端ないです。ベルギービールは100種類以上、ワイン、日本酒、焼酎などなど無いものは無い程です。みなさん飲めない運転手を連れてきます。もちろん寿司は地元小田原の地魚を中心に豊富です。しかし、それよりもそれ以外のサイドメニューは超豊富です。フレンチ、イタリアン、スペイン料理や割烹料理・・・。イベリコ豚等は一皿三万円以上する高級品を驚くほどの低価格で提供しています。チーズの消費量も日本有数です。チーズの輸入代理店の担当者が、相手が回転寿司の店長だと知ると出荷を渋ったそうです。寿司屋でチーズのメニューなんて有り得ないからです。粘りに粘って取引が始まると取引額はなんと日本一になってしまいました。皆、お寿司は最後の締めで、中心がざまざまな各国の料理を楽しみます。全国から有名店のシェフが確かめに訪れますが、その味や品質の高さに驚きます。やがてそのお店は、形態は回転寿司でも「寿司ビストロ」と呼ぶようになりました。Googleで「変態回転寿司」で検索するとトップに出てきます。
「味わい回転寿司 禅」というのが正しい名称です。一度お近くに行かれたら立ち寄ってみて下さい。小さくても一番というマーケティングの標本のようなお店が存在しています。
税務会計のTKCという会計グループがあります。かつては栃木県計算センターと呼んでいました。いわゆるコンピューター会計の先駆けの様な会社です。しかし、後発の会社がどんどん出現し、コンピューター会計の会社は乱立し、レッドオーシャンとなりました。顧客を取るために価格は下がり、利益を出せなくなり、競合はどんどん撤退していきました。当然マーケットは小さくなっていきます。しかし、最後まで頑張ってやり続けたのがTKCでした。市場は小さくなっても、確かな顧客は存在します。やがて市場は安定し、TKCが大きなシェアを獲得することになります。
ロードサイド紳士服の会社にA社があります。A社の戦略は特殊でした。地方の小さな町を狙って出店を続けていったのです。マーケットは小さいので一店舗の売り上げも大きくありません。しかし、競合が出店してきた場合、市場が小さいので、そこにニ店舗も有ると間違いなく赤字になります。それが怖くて追随して出店出来ません。このように、小さな町で一番店をドンドン増やしてゆき、日本有数の企業に成長しました。これも小さくても一番の一例です。

ジンテックという会社は、電話番号クリーニングの技術と実績に於いては日本有数の専門会社です。そもそも最初は、通販会社の不着郵便物を削減するために、顧客電話番号の確認をおこなって不通番号が郵便不着につながるという事を発見したことからこの事業が始まっています。いまや、通販だけでなく数多くのリテール事業を行っている企業が利用し、リアルタイムで顧客の動向を予測し、与信や顧客維持、更にマーケティングにご利用頂いています。20年以上の実績はこの業界最古参の企業として、小さくても一番を進めるという、これも標本の様な企業と言えます。

新・内海新聞103号

友翁伝 完結編

当社の創業時の大恩人、友近忠至氏の足跡を連載しております。友近氏はキティちゃんで有名なサンリオの創業メンバーのおひとりです。そして当社の元役員であり株主でもありました。いよいよ今回が最終話です。

2004年7月、友近さんの77歳の喜寿のお祝いのパーティーがとあるホテルで行われました。
百数十人の方々が全国から駆けつけました。私も末席でお祝いをさせていただいたのですが、その時に配られた資料に年代ごとに出会った方々のお名前と経歴、年齢が書かれたものがありました。
つまり、縦軸に30歳代、40歳代、50歳代、60歳代、70歳代と5つに分けられ、その横にその年代に出会った方々の名前が記載されていたのです。
普通であれば、上の年齢が若いころに出会った方々の名前が多く書かれ、年齢を重ねるごとに人と出会う機会も減ってゆくので、記載の名前は減っていくはずです。
また年齢が上がると亡くなる方もいてなおさらです。
しかし、友近さんの場合は違いました、年齢を重ねるごとに、出会いが増え、特に70歳台が一番名前の数が多かったのです。しかもその方々のほとんどが20代30代といった親子ほど離れた方々だったのには驚きました。
その時、いつも友近さんがよく話されていた事を思い出しました。
かつて愛媛県松山市に本店を置く明屋書店に勤められていた時、その書店のオーナーである安藤明さんから、いつも言われていた言葉があるそうです。
「見たことはしたことにならない。聞いたことはしたことにならない。言った事はしたことにならない。ただ、したことだけがした事である。」
「お前は偉そうなことばかり言うけれど、本当にそれをしたんか?」
私も友近さんに同じように言われました。
つまり、友近さんの頭脳は耐えずオープンマインドなのです。どんな人の話でも分け隔てなく聞かれます。
そして、その聞いた話を、すぐに行動に移します。勇気のいることだと思います。
自分もすぐに行って確かめるのです。
このオープンマインドさと行動力が、年齢を超え、立場を超え、誰とでも打ち解ける秘訣だと思いました。
しかも、友近さんは若い人たちが大好きです。
彼らは、一杯時間を持っている。この世の中で一番大事なものは金でも地位でも名誉でもない。時間なんや。これがあれば何でもできる。若者にはそれがある。
・・・ということです。

友近さんは、武蔵野工業大学でシステム思考の講義をされていました。そこには10代、20代の学生が沢山講義を聞きに来ていました。その授業を私も何度か参加させていただいたことがありますが、本当に嬉しそうに話をされ、活発に質疑応答に応えられていたのが印象的でした。

友近さんは2014年8月17日に亡くなりました。多くの事を学ばせて頂きました。
2014年7月31日の10時頃、私の携帯に電話がありました。友近さんからです
「内海ちゃん、会いたいねん。」
「判りました、今すぐ行きます。お蕎麦でも食べましょうか。」

私は聖蹟桜ヶ丘にある友近さんのご自宅に向かいました。
到着して、近況報告をして30分ほど経過しました。
「友近さん、お蕎麦、行きましょうか。」
「そやな、行こか。」
「いつもの多摩センターのそば佳にしますか?」
「いや、今日はこの下にある蕎麦屋にしよう。なかなかええ店やで。」
「どうしてそば佳じゃないんですか?」
「最近、多摩センターまで行くのがしんどいねん」
私は鴨南蛮、友近さんは天ぷら蕎麦です。
その時、友近さんは妙な話を始めました。
「今まで、いろんな人に出会ってきた。面白かったなぁ。その中でも特に印象に残る人達がいる。内海ちゃん、あんたはその中の一人に必ず入ってくる人や。これまでよう世話してくれたな。ありがとう。」
「先生、止めて下さいよ。最後の言葉みたいやないですか。」
「そうやな、すまんすまん。」
「ところで、来週の水曜日から八ヶ岳の別荘に涼みにいくんやけど、あんたも一緒にいけへんか?」
「行きたいです。でも仕事が・・・・」
「そやろな、無理せんでええで。」
これが、友近さんとの最後の会話となりました。翌週、八ヶ岳の別荘で倒れ、帰らぬ人となりました。
友近さんから学んだ様々の事を反芻してみました。
①PDCAは間違い。Small do → Check → Plan → Big Doが正しい。とにかくまず行動して検証してから大計画を立てよ。
②システムとは、誰でも何も考えなくとも、同じように結果を出せる仕掛けの事をいう。
③出来の悪い人を、もしも出来が良いようにできたなら組織全体の能力の底上げに繋がる。
④まず小さな数字に着目して考え始めよ。大きな数字から考え始めると、構造が複雑化して経費がかかる。
⑤なんでもプラス思考で考える。
⑥入力至上主義 コンピュータのまず入力からという発想は止めよ。なるべく入力しない発想からスタート。もしも入力するにしてもワンライティング思想(最初の一回だけの入力)で完了する事を考えよ。
⑦権限委譲とは、なんでも任せることではない。統一したマニュアルに従って、間違いが起こらない仕掛けをつくって、それに従う事をいう。
⑧数字の比較は、まずアベレージ(平均値)を基準に考えよ。平均値と比べてどうなのかを見ることで、全て指数化が出来る。